CrystlDiskMarkではライト速度が全般的に速い
まずは、定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 5.1.2」の結果から見ていこう。Tion 150のシーケンシャルリード(Q32T1)の結果は560.6MB/s、シーケンシャルライト(Q32T1)の結果は536.1MB/sと、それぞれ公称値を上回る好成績であった。
Trion 100のシーケンシャルリード(QT32T1)は558.0MB/sで、Trion 150とそれほど変わらないが、シーケンシャルライト(QT32T1)は504.1MB/sで、Trion 150のほうが32MB/s速い。他の数値も比べてみると、リードの差はそれほど大きくはないが、ライトは明らかにTrion 150のほうが高速だ。
また、通常は書き込むデータはランダムだが、すべて0で埋める「0Fill」でも計測してみた。最近は少なくなったが、SSDによっては書き込み時にデータを圧縮してから書き込んでいるものがある。そうした製品では圧縮のしやすいデータだと性能が上がるが、ランダムデータでは性能が低下してしまう。
Trion 150、Trion 100は0Fillでもランダムデータでもほとんど性能は変わらず、書き込み時に圧縮をしていないことがわかる。つまり、データの圧縮のしやすさにかかわらず、安定した性能が得られるということだ。
AS SSD Benchmarkのファイルコピーでは2倍近い差が
次に、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 1.8.5636.37293」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。
こちらもCrystalDiskMarkの結果と同様に、シーケンシャルリードはわずかにTrion 150が速い程度だが、シーケンシャルライトは明らかな差が出ている。
ただし、4K-64Thrdのランダムリードに関しては、TRION 150がTRION 100の半分以下となっている。CrystalDiskMarkではそうした結果にはなっていないので、ベンチマークソフトとの相性のようなものかもしれない。IOPSの計測についても、傾向は同じであった。
また、AS SSD Benchmarkには、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルを多数コピーすることを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のコピーを想定した「Game」という、3種類のファイルコピーテストが用意されている。このテストの結果は、PCの実際の使用感に比較的近い。
すべての条件でTrion 150のほうが高速だが、特に小さいファイルを多数コピーすることを想定した「Program」では、実に2倍近くもTrion 150のほうが速いという結果になった。
このあたりは、キャッシュアルゴリズムが改良されたことなどが効いているのであろう。前述したようにこのテストは、体感的な速さをよく反映するので、Trion 150は、実際の使用感も大きく向上しているといえるだろう。
AS SSD Benchmarkのコンプレッションベンチマークは、圧縮が効かないランダムデータから、同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えて転送速度を計測するテストである。
書き込み時にデータ圧縮を行なうSSDでは、グラフが右肩上がりの曲線となるが、Trion 150は多少上下はあるもののほぼ水平であり、データの構成にかかわらず安定したパフォーマンスが得られていることがわかる。それに対し、Trion 100は、ライトのパフォーマンスが極端に落ちるときがあるようだ。
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