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Windows Info 第63回

Windowsの「マイクロソフト管理コンソール」を使いこなす

2016年03月31日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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.mscファイルを自分で作る

 まず単体でMMCを起動する。起動したのち、ファイルメニューから「スナップインの追加と削除」を選択する。

ファイルメニューから「スナップインの追加と削除」を開く

 表示されたダイアログボックス左側の「利用できるスナップイン」から必要なスナップインを選択して、中央の「追加」ボタンを押せば、右側のリストにスナップインが登録される。

スナップインの追加と削除ダイアログの左側のリストにはシステムで利用可能なスナップインが表示される

 このリストは、MMCを起動したときの左側に表示されるスナップインのツリーに対応している。必要なスナップインを追加し、順番などを変えたら、OKボタンでダイアログを抜けると、MMCウィンドウの左側に登録したスナップインが表示され、中央部分には選択した項目が表示される。

 ここでは、パフォーマンスモニタースナップインを使い、システム状態を追いかけるためのグラフを表示させる管理コンソールを作ることにしよう。筆者の環境では、長時間OneDriveのアップロードを行わせると、メモリが不足することがある(というか、いつもそうなる)。このときにメモリの状態をグラフ化しようとして.mscファイルを作成してみた。今回は、これを例に具体的な設定方法を解説する。

 「スナップインの追加と削除」で、「パフォーマンスモニター」を追加する。追加したら、左側のツリーから「コンソールルート」→「パフォーマンス」→「モニターツール」→「パフォーマンスモニター」を選択して、グラフを表示させる。ここから先は、管理ツールにある「パフォーマンスモニター」と基本的な操作は一緒である。

パフォーマンスモニターのスナップインを登録しダイアログを閉じたところ。左のツリーから「パフォーマンスモニター」を選択すると中央にグラフが表示される

 グラフ上での右クリックメニューで「カウンターの追加」を選ぶか、グラフ上のツールバーで緑の「+」ボタンを使ってカウンターを追加すると、「カウンターの追加」ダイアログが出る。

パフォーマンスモニターのカウンターの追加ダイアログ。左側のリストから項目を選択して「追加」ボタンでグラフに登録する

 今回は、メモリ関連なので、左側のリストで「Memory」を選び、右側の矢印ボタンを使って項目を開く。適当なカウンターを追加していくが、このとき、ダイアログ左下にある「説明を表示する」のチェックボックスをオンにすると、解説が表示される。わからないときには、とりあえず全部登録してしまい、あとでグラフを見ながら不要なものを消していくという方法も使える。

ダイアログ左下の「説明を表示する」のチェックボックスをオンにすると、選択したカウンターの説明が下に表示されるようになる

 カウンターを登録したら、グラフをみながら、プロパティの「データ」タブにある「スケール」を調整してグラフがはみ出さないようにする。ここは、観測したい値の領域がグラフになるように、たとえば、値が高い初期状態ではグラフからはみ出していても、途中から表示されるように調整するなど、試行錯誤が必要なところだ。

「凡例」でカウンターを選択し、「平均」値などをみながらスケールを調整する。長時間の追跡ではグラフ全体が入るような値を選択する必要がある

 グラフの調整が終わったら、ウィンドウから不要な要素を消していく。今回は、グラフのみを表示させることにする。「表示」メニューから「カスタマイズ」を選択して、「表示のカスタマイズ」ダイアログボックスで不要なものをオフにしていく。

表示のカスタマイズで不要な要素を消していく。観測主体ならほとんど消してしまってかまわない

 なお、「標準メニュー」を消してしまうと、「表示」メニューが消えてしまうが、メニューバー左端のアイコンを右クリックすると「表示のカスタマイズ」という項目があり、これを使えば、「表示のカスタマイズ」ダイアログボックスを表示させることができる。

メインメニューを消してもメニューバー左のアイコンをクリックすれば「表示のカスタマイズ」を呼び出せる

 最後に、グラフ内で右クリックして「プロパティ」を選択し、「全般」タブで表示設定を行なう。「表示要素」のうち「凡例」と「値バー」は残しておいたほうがいいが、「ツールバー」は消してもかまわない。

スナップインのプロパティにある「全般」タブでは、スナップイン領域の表示要素の設定などが行える。またここでサンプリング周期や期間を設定する

 また、「グラフ要素」を使って、サンプリング間隔と期間(横軸の範囲)を設定しておく。パフォーマンスモニターでは、サンプリング間隔を長くすることで長時間の追跡が可能になる。ただし、グラフに表示できるサンプル点は最大1000個なので、「期間」は、これに合わせて調整する。たとえば、サンプリング間隔を30秒としたら「期間」は最大で

30[秒]×1000[個]=30000秒(8時間20分)

に設定できる。

 最後に「ファイル」メニューのオプションを使い、ウィンドウタイトルなどを設定しておく。

OneDriveでの同期中にメモリが減少していく様子。なぜか大量のメモリを持つプロセスがないのにメモリだけが減っていく

 ここで「ユーザーモード」を選択すると、保存した.mscファイルから起動したmmcは、カスタマイズなどが一切できなくなる。これは、作成したツールを配布して利用するような場合に使う。そもそもmmcは、企業などで管理者が状態を把握するなどの管理者向けで、この「コンソールモード」は、非管理者にツールを使わせる場合などに利用するもの。一回「ユーザーモード」にして保存してしまうと、mmc内部からは「作成者モード」に戻すことができなくなる。

 ただし、前述のように.mscファイルは、xml形式のテキストファイルなので、これを直接編集して「作成者モード」に戻すことはできる。

ユーザーモードで一回保存してしまうとMMC側からは回復する方法がないが、.mscファイルを直接編集することでAutherモードに戻すことはできる

 とはいえ面倒なので、誰かに使わせる予定がなければ、作成者モードのままでかまわない。

 最後に、「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」を使い、設定を.mscファイルとして書き出す。次回からは、保存した.mscファイルからmmcを直接起動できる。

 このような設定を行ったウィンドウが下の画面だ。実際に大量のファイルをOneDriveと同期させてたとき、このようにメモリが消費されていく様子がわかる。パフォーマンスモニターは、パラメーターの変化をグラフ化して長時間追跡することが可能なので、トラブル時にウィンドウズの挙動を調べるのに便利だ。ノートPCなどでは、バッテリ残量や充電率などをグラフ化可能できる。

ユーザーモードで一回保存してしまうとMMC側からは回復する方法がないが、.mscファイルを直接編集することでAutherモードに戻すことはできる

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