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Windows Info 第63回

Windowsの「マイクロソフト管理コンソール」を使いこなす

2016年03月31日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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Microsoft Management Console(MMC)はWindowsの管理ツールの1つ

マイクロソフト管理コンソールは
Windowsにおけるさまざまな管理に用いる

 マイクロソフト管理コンソール(Microsoft Management Console、以下MMCと略す)は、Windowsのさまざまな管理を行なうためのツールだ。プログラムは、

C:\Windows\System32\mmc.exe

になる。ただし、このMMC自体を直接起動することはほとんどなく、「パフォーマンスモニター」や「グループポリシーエディタ」などとして利用することがほとんどだ。

MMCは、パフォーマンスモニターなどの管理機能を実行するプログラムとして利用される

 というのも、MMCは、拡張子が「.msc」(Microsoft Common Console Document)というファイルを読み込んで動作するようになっているからだ。つまり、グループポリシーエディタなどの管理機能は、「gpedit.msc」というファイル内で定義されていて、MMCは、これを解釈して実行しているわけだ。

 標準では、.mscファイルは、MMCと関連づけされているため、.mscファイルへのショートカットファイルを作成したり、エクスプローラーからの.mscファイルのダブルクリック(開く)でMMCが起動し、.mscにしたがって動作する。

 MMCでは、さまざまな管理機能を「スナップイン」として持っている。スナップインの実体は、MMC用に作られたDLL(ダイナミックリンクライブラリ)ファイルだ。

 スナップインは、MMC用に作られた特殊なDLLで、MMCは、レジストリの登録情報などを元にシステムに組み込まれているスナップインをすべて利用できる。利用可能なスナップインは、MMCのメニューから表示させることもできる。

 .mscファイルは、このスナップインをどのように組み込むかを定義しているファイルで中身は、XML形式のテキストファイルだ。

 MMCは、Windowsのすべてのエディションで利用可能だが、標準で付属する.mscファイルやスナップインはエディションにより違いがある。

スナップイン名 Home 概要
ActiveX コントロール 任意のActiveXコンポーネントを組み込むためのスナップイン
Hyper-V マネージャー × Hyper-Vの管理
IP セキュリティ ポリシー Ipsec管理
IP セキュリティ モニター ネットワークのセキュリティ状態管理
NAP Client Configuration NAPクライアントの設定
TPM 管理 TPM(Trusted Platform Module)の管理
Webアドレスへのリンク Webページをスナップインとして表示
WMI コントロール WMI(Windows Management Instrumentation)の制御
イベント ビューアー イベント管理
グループポリシーオブジェクトエディター × グループポリシーエディタ
コンピューターの管理 管理ツールの「コンピューターの管理」と同じ
コンポーネント サービス COM+管理ツール
サービス Windowsサービスの管理ツール
セキュリティが強化された Windows ファイアウォール Windowsファイアウォールの設定
セキュリティ テンプレート セキュリティ設定関連機能
セキュリティの構成と分析
タスク スケジューラ タスクスケジューラー(タスクのスケジュール実行機能)
ディスクの管理 ディスクデバイスの管理機能
デバイス マネージャー デバイス管理
パフォーマンス パフォーマンスモニター他
フォルダー スナップインをツリー内で整理するためのフォルダ
ポリシーの結果セット × 有効化したポリシーを表示
ローカル ユーザーとグループ ユーザー管理など
印刷の管理 × 印刷管理機能
共有フォルダー ネットワーク共有の管理機能
承認マネージャー 承認ストア機能の管理
証明書 電子証明書の管理

 たとえば、「グループポリシーエディタ」となる「gpedit.msc」は、Home Editionには付属しない。一方でイベントビューアー(eventvwr.msc)やパフォーマンスモニター(perfmon.msc)は、Home Editionにも付属している。ただし、Home Editionには、「グループポリシーオブジェクトエディター」スナップインは含まれていない。スナップインが含まれていないため、.mscファイルのみをコピーしてもHome Editionでグループポリシーエディタは利用できるようにはならない。

 パフォーマンスモニターで、さまざまなカウンタをグラフに登録したあと、グラフ領域で右クリックメニューから「設定を保存」を行なうと、作られるのはHTMLファイルになる。これは、ActiveX(実際にはスナップインと同じもの)を使って、パフォーマンスモニターと同じ設定でグラフを表示することができるが、この状態では、カウンタを追加したり、サンプリング間隔を変えるといった設定はもうできない。

 また、ActiveXを使っているため、Internet Explorerでしか動作しない。これではちょっと使い勝手が悪い。こうした場合は、mscファイルを作成し、これを使ってMMCを起動するといい。

パフォーマンスモニターなどから「設定の保存」を使うと、HTML形式のファイルが作られIEでのみ表示が可能

 この方法を理解すれば、たとえば、従来は、「管理ツール」の「コンピューターの管理」から開いていた「ディスクの管理」を直接開くmscファイルを作成できる。あるいは逆に、複数のスナップインをまとめて1つのmscファイルとして、これを開けばすべてOK的な管理コンソールを作ることも可能だ。

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