このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUP 第16回

アスキー主催のイベントで発表されたIoTスカラーシップの中身

あとは作るだけ!さくらとインテルがIoT開発のすべてを揃える

2016年03月29日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3月28日、アスキー主催の「IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUP」において、さくらインターネットは4月から提供開始の「さくらのIoT Platform α」の概要を説明。未発表のインテルとの協業も発表し、データ収集からビジネス化まで目指すスキームを提供する。

4月のサービスインに間に合うのか?

 「『さくらのIoT Platform α』開始直前報告会~ホントに開始できるのか? おもしろいモノは出てくるのか? 徹底検証!~」と題されたセッションでは、ABBALab代表取締役で、さくらインターネット フェローの小笠原治氏と、さくらインターネット プラットフォーム事業部 江草陽太氏、モデレーターのアスキー編集部 伊藤有が登壇した。

 4月のサービスインを目前にして、まずは伊藤が「いやあー、開発どうですかね?」と進捗を聞くと、小笠原氏は「まあ、なんとかなりそうです」と答える。「この1週間くらいのがんばりにかかってます。開発者がこんなところに出てきている場合かという感じですが、それでもなんとかできます」とのことで、「ホントに開始できるのか?」はクリアしそうだという。

さくらインターネット フェロー 小笠原治氏

 さくらインターネットへの出戻りとなる小笠原さんも、開発全般を手がける江草氏も、社内ではかなり自由にやらせてもらっているらしい。「江草は新卒2年目なんですけど、腕さえあればやりたいところができる会社なんだということをアピールしたい」と小笠原氏が語ると、「設計から丸投げしていただいているので、好き勝手できる。自分で決めたもの、自分で開発したものを、自分で発表できるんで、すごい楽しい」と江草氏は応じる。さくらの中でも、スタートアップ的な雰囲気で、プロジェクトが進められているのは間違いないようだ。

さくらのIoT戦略のありがちな誤解を解く

 ゆるーく始まったセッションは、「そもそもさくらのIoT Platformとはなんぞや?」というところに話が移る。これに対して、「私の作った図がわかりにくいんですよね」という小笠原氏が、よくある誤解を元に説明を進める。

小笠原氏作となるさくらのIoT Platform αの概要

 さくらのIoT Platformは「AWS IoT」はじめとした昨今のIoTプラットフォームの下のレイヤーをカバーするという。「足下の通信モジュール出すところから始め、オープンにしたくないデータをインターネットの手前となる閉域網にデータを上げるところまで提供する」というのが小笠原氏の説明。しかし、格安のMVNOサービスかというと、そういうわけでもない。「どんな通信でもできるわけではない。僕らの通信モジュールは、僕らの閉域網にしかデータを上げません。インターネットを自由に使えるものを出しているわけではない」(小笠原氏)という。インターネットのクラウドサービスではないので、さくら側が決めたやりとりでデータを上げれば、きちんとセキュリティが担保される。

 一方で、通信モジュールは圧倒的な低価格を目指す。「高いんです。数万円するんですよ。これを数千円とかのレベルに落としたいんです」と小笠原氏。とはいえ、ハードウェアメーカーになるわけではなく、「誰かが作ってくれるのであれば、それでも全然変わらない」とのこと。とにかく安価に通信モジュールを提供し、IoTサービスの機会を増やしていくのが、さくらの意図。IoTだと量産効果が出やすいため、スケールを確保することで、低廉な価格を維持していきたいという。また、国内向けサービスというのも誤解で、ソラコムと組むのも、グローバルでの利用を前提としている。

 さらにさくらのIoT Platformは自社サービスのみならず、AWSやBluemixなど他のクラウドサービスからも利用できる。「ハードウェア作っている人は、基本的にネットワークが苦手。とはいえ、僕らが他社のIoTプラットフォームを後追いするわけではなく、他社のサービスにつなぐための経路だったり、データレイクなどを用意する。ハードウェア作った後のサービスのところまでフォローしたい」と小笠原氏は語る。クラウドとの接続に関しては、相互に確認しているので、「勝手にやっているわけではない」(小笠原氏)という。

さまざまなサービスと連携するさくらのIoT Platform α

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

灯油タンクで残量検知を実現!北海道の生活を守るIoTとは【熱量IoT】#3

動画一覧はこちら!