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KDDI ∞ Labo第9期 DemoDay

世界中のアートを購入し表示できる“IoTフォトフレーム”が最優秀賞

2016年02月27日 09時00分更新

文● 加藤肇 編集●北島幹雄/大江戸スタートアップ

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 KDDIとパートナー企業がスタートアップ企業を支援するインキュベーションプログラム“KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)”。2016年2月22日には“KDDI ∞ Labo 9th DemoDay”が東京・渋谷のヒカリエホールで開催され、第9期プログラムに参加した6チームが成果を披露した。

電子ペーパーを活用したIoTスマートインテリアが最優秀賞に

 第9期では、ムゲンラボとして初めてハードウェア開発も支援対象になったのだが、最優秀チームに選ばれたのは、そのハードウェアプログラムに参加したCAMELORS株式会社の『uusia』。電子ペーパーを活用したスマートインテリアと世界中のイラスト・写真を売買できるプラットフォームを組み合わせたサービスだ。

 uusiaは、イラストや写真といった自分の作品を世に広めたいアーティストと、もっと気軽にアートを楽しみたいユーザーとをマッチングさせるためのプラットフォーム。

 アーティスト、ユーザーともにネット上で手軽に作品を売買でき、ユーザーが購入した作品は“IoTフォトフレーム”の『uusia picture』に表示できる。uusia pictureは電子ペーパーを利用しているため、省電力かつ軽量で、その日の気分に合わせて簡単に作品を切り替えられることが特徴だ。

 CAMELORSの田根靖之代表は、uusiaについて「涙が出るような感動を与えるモノではないが、日々の暮らしにちょっとした楽しさを気軽にプラスできる」と特徴をアピール。個人宅のほか、企業の会議室や飲食店などでも需要が見込めそうだ。

 今後は、売買プラットフォームは3月末にβ版をリリース予定で、uusia pictureについては5月にクラウドファンディングへの出品を予定しているとのことだった。

オーディエンス賞はけん玉IoTデバイス

 来場者の投票で選ばれるオーディエンス賞を獲得したのもハードウェア開発のチーム。株式会社電玉の『電玉』だった。

 電玉は“伝統×IoT”をコンセプトに開発されたけん玉で、加速度やジャイロセンサー、通信モジュール、振動モーターなどを内蔵。伝統的な遊び道具だったけん玉を対戦可能なガジェットに進化させており、大技を繰り出すと対戦相手に振動を与えることなどが可能だ。

 またアプリと連動させて、対戦プレーや協力プレー、トレーニングモードなども楽しめる。内蔵LEDによって発光するギミックもあることから外国人ウケがよさそうで、海外展開も考えられる。2月29日からは、クラウドファンディングの“Makuake”にて先行販売が開始される予定だ。

共同作業可能なエンジニア支援ツールなど
ウェブサービスにも注目

 惜しくも受賞は逃したが、ウェブサービス開発でも4チームが参加。Revode株式会社の『AppMotor』は、エンジニアの問題解決を支援するためのプラットフォーム。

 プログラミング中に起きたエラーなど、自分だけでは解決できない問題に対して、他のエンジニアがアドバイスを与えてくれる。ブラウザー上で動作し、ソフトのインストールなどは不要。両者が同じ画面を見ながら共同作業できることに加え、マウス操作や文字入力も同期されるため、上級者が代わりにコードを打ち込めることも可能な点が特徴だ。

 AG株式会社の『ViC』は、動画をクリックすると埋め込まれた情報を引き出せるという技術を利用した商品プロモーションツール。

 ショッピングサイトでの利用が想定されており、情報を埋め込んだ動画をローコストで作成できるのがサービスの強みだ。すでにパルコが運営する『MEETSCALストア』に採用されており、将来的にはショッピングだけでなく、映画やドラマに注釈を入れたり料理番組の映像に付加情報を加えるといった活用法も考えられるという。

 クロードテック株式会社の『Buildy』は、たった3分で集客用のスマホアプリを作成できるサービス。

 飲食店や美容室などがターゲットで、個人経営の店舗ではコスト面などで難しかったスマホアプリ作成を無料で提供する。ニュースやコミュニティー、クーポン発行などの機能があり、今後は予約受け付けやポイント付与などの機能も追加予定とのことだ。

 株式会社HRDatabankの『HRDatabank』は、人材不足を解消したい先進国の企業と仕事が少ない発展途上国の求職者をマッチングさせるサービス。

 求職者側は希望の仕事を見つけられて、企業側にとっては国をまたいで優秀な人材を探せるのがメリットとなる。求職者の出身大学のレベルをわかりやすくするために自国の同程度の大学を提示する“ローカル情報比較システム”や、ダウンロードすれば入国管理局にそのまま提出できる“ビザ申請書類自動作成システム”など、外国人雇用のハードルをクリアさせるための仕組みが用意されている。

今後は“アクセラレータープログラム”へ方針転換

 今回のイベントでは、KDDI ∞ Labo第10期プログラムの概要も発表された。これまでの“インキュベーションプログラム”から“アクセラレータープログラム”への方針転換が大きな柱となっており、これまでの採択条件では外部公表前のアイデアを持ったチームに限定されていたところを、すでにサービスやプロダクトを公表済みの企業やチームも含めるかたちとなる。

 また、KDDIと協力して支援を行なうパートナー企業も増加する。第9期では全18社が参画していたが、第10期では新たに12社が加わり、KDDIも含めると全31社でサポートすることになる。今後は既存企業とのコラボなども加速させていくとのことで、スタートアップ企業にとっては事業成長の可能性がさらに高まるわけだ。

 第10期の募集はすでに開始されており、応募期間は2016年3月22日まで。詳細の確認や応募は、公式サイトから行なえる。

■関連サイト
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