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はじまりはアキバのハンバーガー屋だった

開発者の集まりからVR市場成長の場に、OcuFesの功績と今後

2016年02月25日 10時00分更新

文● 新清士、編集●ASCII.jp

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建築CG会社がゲーム制作によって出展

 BLASTxBLAST(ブラスト ブラスト)は、小型モーションコントローラー「Leap Motion(リープモーション)」とOculus DK2を組み合わせたシューティングゲームで、高速移動ながら遊ぶインベーダーゲームのような展開を見せる。

「BLASTxBLAST」のゲーム画面

 次々に登場する敵に向けて、かざした手から発せられるレーザーで、どんどんと倒していく展開で、テンポも速く、約3分間で、ゲームセンターで1プレー遊んだかのような爽快な体験を得られる。

 高い評価を得ていたゲームだが、開発した積木製作はゲーム会社ではなく、建築用CG制作の専門会社だ。2003年に設立され、現在の従業員数は12名だ。同社の赤崎 信也氏によると、VR関連の展示イベントに出展したのが、2013年秋のイベントで、その後、OcuFesなど積極的に出展するようになったという。

 元々、建築用CGの製作をしており、パソコンやタブレットなどで使う建築用VRは10年以上の経験を持っており、DK1は発売当初からすぐに試し始めたという。最初に開発したデモは、建築CGの家の中をジェットコースターで動き回るというものだった。

 「VR酔いがひどく建築CGデータ内を歩き回る建築ウォークスルーは吐きそうになりながらも、可能性は感じた」(赤崎氏)

 その後、実際に仕事としてVRコンテンツの依頼を受ける。2014年7月にテレビ朝日のイベントに合わせて「ジェラシックアートアドベンチャー」という恐竜をテーマにしたライドコンテンツの開発を行ない、DK2を使って展示。これが同社のVRHMDを使った初開発の仕事となった。その後も、「モーターショー」向けのデモコンテンツの開発を請け負ったりとVRは新しい事業の一つとして、同社の成長を支える柱になろうとしている。

 「VRはかなり注目をされるようになってきる。一般の大手企業の中に必ずある事業開発推進室の担当者が、OcuFesに来ている。この場での出会いが実際に仕事になったケースも出てきている」(赤崎氏)

 それではなぜ今回ゲームを開発したのか。今回のシューティングゲームは、1月に開催された「Unity VR EXPO Shibuya」で行なわれたコンテストでの受賞を狙いにいったデモで、大賞を受賞している。実際にこのゲームの、まわりの建物をきれいに見せる方法は、建築CGの作り方の技法を生かしている。映像をもり立てるエフェクト効果も、建築CGの映像にフィードバックできている。

 「今後、人を増やしていかなければならないが、プログラマーを増やしていくときに、エンターテインメントコンテンツも開発しているというのは、対外的にも見せられる要素となるため大きい。建築CGをやっているところで、インタラクティブなコンテンツを作れる企業はないため、差別化になると考えている」(赤崎氏)

 赤崎氏は、同社は「VRに賭けている」という。「建築CGの製作ではクオリティーでの差別化が難しく、値段を変えられない。しかし、VRならばソリューションとして建築会社に提案できるので、違った可能性を広げる展開ができる」(赤崎氏)

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