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業界人の《ことば》から ― 第184回

市なのか? 企業なのか?

デルと提携、スマートグラス開発、人口7万の鯖江がITを牽引?

2016年02月23日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

 「市内には150種類のオープンデータがあり、民間が開発したアプリは約120種類に達している。めがね、繊維、漆器に続く、4番目の産業として、ITを活用した街づくりを進めている」(鯖江市の牧野百男市長)

鯖江市4つめの産業は「IT」

 福井県鯖江市は、小松空港から車で約40分。人口7万人弱の小さな街である。

 1500年の歴史を持つ越前漆器、1000年の歴史を持つ繊維、そして100年の歴史を持つめがねフレームが主要な産業だ。とくに、めがねフレームでは、国内生産の9割以上という圧倒的な市場シェアを持つ。

 その鯖江市が、漆器、繊維、めがねに続く、第4の産業として積極的な取り組みを行なっているのが、オープンデータを活用したITへの取り組みだ。

 鯖江市が、オープンデータの活用について検討を開始したのは2010年12月のことだ。政府が電子行政におけるオープンデータ戦略を策定した2012年7月よりも、1年半以上前に、その活動を開始していたといえる。

 実際、第1号となるトイレ情報アプリの提供が開始されたのが2012年1月。市内のどこに公衆トイレがあるのかをスマホで検索することができる。

 鯖江市の牧野百男市長は、「オープンデータを活用したアプリによって、データシティ鯖江を実現している。現在では、150種類のオープンデータがあり、民間によって開発されたアプリは120種類に達している」と語る。

 バスの運行情報アプリや、市内の図書館の蔵書の位置を確認できるアプリ、河川の増水状況などを確認できるアプリのほか、鯖江市の見どころを写真で紹介したり、道路の補修が必要な場所を写真に収めて、簡単に投稿できるアプリもある。昨今では、子育て関連情報をまとめた子育てアプリが開発され、今後は、これをほかの自治体にも横展開していくことになる。

 同市では、これらの先進的なオープンデータの活用実績をもとに、「データシティ鯖江」を標榜してみせる。

 だが、課題もある。牧野市長は、「アプリの利用率が1%に留まっている。もっと多くの市民に利用してもらいたい」と語る。

 シニア層を対象にした高年大学では、タブレットの利用方法などについての教室を公民館で開催。アプリの利用促進につなげる考えだ。

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