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通院のオンライン化は進むか メドレーが『CLINICS』を開発、登録医療機関の一般募集を開始

2016年02月08日 17時10分更新

文● 北島幹雄/大江戸スタートアップ

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 予約から診療、会計、アフターフォローまでオンラインで実現するという。

 8日、メドレーは、オンラインで予約から診療、会計、アフターフォローまでを実現するオンライン通院システム『CLINICS』(クリニクス)の開発を発表。同時に登録医療機関の一般募集を開始した。

 オンライン通院システムCLINICSは、診察予約やビデオ診察、必要に応じたアフターフォローまでをオンラインで行うことを可能にするプラットホーム。メドレーは全国の医療機関に対して、CLINICSを活用した診療フローの構築支援を行い、医師や医療機関がインターネットを通じた医療の可能性を追求することをサポートする。

 リリースによれば、CLINICS導入によって下記のようなことがすぐに医療機関で実現できるようになるという。

通院、待ち時間の負担を減らすビデオ診察
医師が可能であると判断した場合に、診察をビデオチャットで実施可能。患者は医療機関へ行く必要がないだけでなく、診察待ちの時間が解消され、利便性が大幅に向上する。

患者との情報共有を容易にするオンライン問診
診察の前後に、患者に対してオンラインで体調情報や医師への質問などの登録を促せる。各医療機関はそのような問診情報を診療内容ごとにカスタマイズして、実際の診療の際に参考情報として使用できる。

診察後または予約料のクレジット決済
患者が事前に登録しているクレジットカードに対して、予約時の予約料や、診察終了後の診療費を請求できる。

診察予約の24時間受付
24時間いつでも、WEB上で診察予約を受付可能。

患者の自宅へ薬・処方箋を配送前に、薬の解説の送付
患者の自宅への薬・処方箋の配送にあたって、オンライン病気事典『MEDLEY』の薬の解説を無償で送付できる。

最も大切なのは「診療の質」の担保

 CLINICS開発の背景には、2015年8月10日に発表された厚生労働省による遠隔診療通達がある。遠隔地にいる医師と患者を情報通信機器でつないで行う診療、いわゆる「遠隔診療」の解釈に関する通達だ。

 内容は、「患者側の要請に基づき患者側の利点を勘案した上で直接の対面診療と組み合わせて行う限り差し支えない」という見解。通達前の遠隔診療に対する見解は「離島やへき地の患者などの対面診療が物理的に難しいケースを除いて原則禁止」とするものだったことから、医療界ではインターネットを活用した新たな医療の可能性への関心が高まっている。

 とはいえ、ビデオ通話のシステムや診療費の決済システムを個々の医療機関が負担して導入していく障壁は高く、実際に遠隔診療を導入している医療機関はまだ少数に留まっているとのこと。そこでメドレーは、予約から診療、会計、アフターフォローまでをオンラインで実現するための汎用的なプラットホームとしてCLINICSを開発した。

 ただし、メドレー側もそこまで容易にオンライン通院が進むとは考えていない。

 「日本の医療にとって遠隔診療が価値あるシステムになると考えていますが、その革新性や利便性がゆえに、最も大切な『診療の質』が疎かになる危険性もはらんでいます」(リリースより)として、慎重な判断が可能な医師・医療機関を募集するとともに、複数医師及び複数弁護士、その他有識者による倫理委員会を設置。CLINICSの提供に際し、医療機関への客観的な提言等を行っていくとしている。

■関連サイト
CLINICS

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