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第4回ITACHIBA会議で語られた「マネジメントと働き方」

3人の先進経営者が語る「働き方」「制度」「テクノロジー」

2016年02月04日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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1月15日、IT業界での課題解決を目指す人材交流組織「ITACHIBA(イタチバ)」は、第4回目のイベントを開催した。今回のテーマは「働き方」。前半はマネジメントでLTが行なわれ、もはや待ったなし働き方改革への重要な示唆を得ることができた。

高度成長期の働き方は限界を迎えている

 IT業界内の幅広い参加者を集め、SI業界の変革や中小企業とクラウド、そしてITの新価値創造などのテーマを討議してきたITACHIBA会議。昨年の1月以来、4回目となるイベントではサイボウズ フェローの野水克也氏がイベントホストとなり、今旬の話題となる「働き方」についてLTとパネルディスカッションを繰り広げた。

サイボウズ フェローの野水克也氏

 前半はおもにマネジメントの観点でLTとパネルディスカッションが行なわれた。参加者はサイボウズ フェローの野水克也氏のほか、テレワークマネジメント 代表取締役の田澤由利氏、MarkLogic 日本法人代表の三浦デニース氏、ChatWork 常務取締役COOの山口勝幸氏など、新しい働き方にチャレンジしている面々だ。

 冒頭、野水氏はさまざまなデータを元に、日本企業の現状と課題を聴衆に叩きつける。サラリーマンの平均年収は年々下がったことで、共働きは当たり前のものに。しかし、家事や育児の負担は女性に偏り、いわゆるワーママが生きづらい現状となっている。その一方で、少子化と高齢化は急速に進み、人手不足が深刻化しているにもかかわらず、労働生産性はOECD加盟国34カ国中、22位まで落ち込んでいる。

下落の一途をたどる出生率労働生産性はOECD加盟国34カ国中22位まで落ち込む

 こうした中、「同じスキルと行動特性を持ったワーカーを大量に育成して、同一価値で競争させる」高度経済成長期の働き方は、もはや国際競争力を失っているというのが、野水氏の論。生産性向上と個人の自己実現を両立させるための働き方改革はもはや待ったなしと強調する。「出産や離職などでいったん仕事を辞めてしまうと、元の収入を得るのはとても困難。でも、人間はずっと同じように働き続けるのは困難。子育てに専念する時期、自分を再デザインする時期など、山や谷があってもちゃんと上に上がっていける社会になればいいと思う」(野水氏)。

もはや高度成長期の働き方は通用しない自分のペースにあった働き方を長く続けられるように

「経営者は危機感を持って新しい働き方を考えるべき」(田澤氏)

 テレワークと在宅勤務のコンサルティングを提供している田澤由利氏は、テレワーク歴24年のベテラン。会社員、個人事業者を経て、現在は北海道の北見にオフィスを置くテレワークマネジメントの経営者として、場所と時間にとらわれないテレワークの推進に尽力している。

テレワークの伝道師でもあるテレワークマネジメント 代表取締役の田澤由利氏

 ICTを活用したモバイル型、在宅勤務型などのテレワークは、女性活用や介護離職などの文脈で多くの企業で導入が相次いでいる。「朝から晩まで会社で働ける人しか雇わないよという会社は今後どうなるのか? これを経営者は危機感を持って、考えてもらいたい。今までの働き方にこだわっていると、新しい人が来てくれなくなりますよと、いろんなところで言っている」と田澤氏は警鐘を鳴らす。

女性活用や深刻な介護離職の現状。朝から晩まで会社に来てくれる人だけ雇うのはOKか?

 とはいえ、テレワークには「在宅でできる仕事が限られる」「仕事しているか管理職からわからない」「同僚に仕事のしわ寄せが来る」「会社の方が仕事がしやすい」などの多くの課題がある。しかし、「テレワークでできる仕事は限られるという考えでは、日本ではテレワークは普及しないでしょう。必要なのは発想の転換。テレワークでもできるように仕事のやり方を変える」と田澤氏は指摘する。

クラウドを活用した「効果のある」テレワークの実現

 従来のように会社の仕事を切り出し・持ち出すのではなく、今まで会社にあった仕事道具や仲間をクラウド上に置き、いつでも仕事をできる環境を作る。これが新しい目指すべきテレワークだ。実際に北海道、東京、奈良にオフィスを置く同社では、柔軟な働き方が実現でき、優秀な人材が集まってくるという。

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