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プレイステーションのSCEが4月に社名変更、“SIE”の “I”に込めた意図とは?

2016年01月29日 09時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●ガチ鈴木

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ネットサービスとハード事業は一体に

 企業の合併は、グループ企業どうしといえど大変なことだ。20年以上にわたって親しまれてきた社名を変えてしまうとなれば、軽々に行なえるものではない。合併と社名変更が行なわれた理由は、プレイステーションビジネスにおける“ネットサービス”の比率向上がある、と考えられる。PS4ではPSNが月額サービスに変わり、ゲームのダウンロード購入比率も上がっている。米国では定額制音楽配信やネットテレビサービスもあり、PSNからの売り上げが大きくなる傾向にある。PS4がプラットフォームとして定着すればするほど、PSNの収益源としての価値は高まる。

 ソニー本社にとっても、PSNはXperiaをはじめとした、多数の家電製品で活用する資産だ。過去には「プレイステーション以外でも使う」ためにSCEからネットサービスを分けていた。また、インフラ構築に伴う投資負担が、PS VitaやPS4の立ち上げに関わる投資を抱えたSCEの業績を圧迫しないよう、配慮していた部分もある。だが投資もひと段落し、そうした配慮の必要もなくなった。これまでもソニーの決算上の仕分けでは、SCEとSNEIは同一グループだったが、より密接に「ハードとサービスがお互いを活用し合う」には、会社を分けておく必要はない、という判断なのだろう。

 社名が“インタラクティブエンタテインメント”になったからといって、いきなりゲーム以外の比率が増える、というわけではないようだ。PS4というハードウェアはゲームに特化して成功したため、当面軸をぶらすわけにもいくまい。だが、PSN内でのAVサービス比率が向上していること、バーチャルリアリティー機器『Playstation VR』がゲームにとどまらず注目を集めそうである点は影響していそうだ。

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