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マイクロソフト・トゥディ 第178回

電力自由化、料金は関電とAzureで安くなる -関電システムSOL 山元康裕社長・日本MS 平野拓也社長対談

2016年01月28日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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CISパッケージ「NISHIKI」をAzure上に移植、新電力にも提供

 ふたつめの提携が、関電システムソリューションズが開発した電力業界向けCIS(Customer Information System)パッケージである「NISHIKI」を、Microsoft Azure上で稼働させ、これを新電力と呼ばれる新規参入事業者に販売していくという提携だ。自らのノウハウを、いわば競合企業にも提供するという仕組みでもあるが、関電システムソリューションズは、むしろそこにビジネスチャンスを見出そうとしている。

山元 電力小売全面自由化に伴い、新電力と呼ばれる新たな事業者が電力分野に参入することになります。これらの事業者においては、電力事業を行なうためのソフトウェアが必要になるわけですが、ここに、当社が開発したCISパッケージ「NISHIKI」を、Microsoft Azure上で稼働する形で移植し、電力小売事業に参入する事業者向けにクラウドサービスとして提供する考えです。

 これは、当社が、電力事業において培ってきたノウハウを生かして開発したオンプレミス向けパッケージをもとにしたもので、電力ビジネス特有の業務知識などを反映した新たな電力事業者向けのソリューションと位置づけています。また、スモールスタートや、今後の需要拡大によるリソース拡張に柔軟に対応できる点もNISHIKIの特徴です。電力業界のノウハウを持つ企業が、パッケージとしてソリューションを提供しているのは全国でも当社だけです。

平野 「NISHIKI」の話をお伺いすると、実に積極的な戦略であり、そして極めて戦略的であると感じます。電力の自由化を受け身で捉えている会社と、前向きに対応していく姿勢の会社がある中で、関電システムソリューションズは、自社が持っているノウハウをビジネスモデルに転換し、再販していくという新たな時代の考え方に合致した取り組みに踏み出しています。他社に先駆けて、最初の一手を打つというのは大変なことです。こうした英断をした関電システムソリューションズに敬意を表したいですね。

山元 新電力として参入する事業者では、信頼性や利便性、保守性を求める一方で、コストに対しても大変シビアで、しかも短期間にこれを構築したいという要望もあります。また、業界そのものが、負荷の変動が激しいという特徴も持っています。

 そうしたニーズに対しては、クラウドサービスが大変有効です。日本マイクロソフトとともに、ハイブリッドクラウド環境で提供できるソリューションとして提供できることは大変心強いと考えています。NISHIKIについても、すでに数社から引き合いがあり、非常にいい手応えを感じています。

平野 こうした取り組みの裏には、これまでにはなかったクラウドの存在があり、これが新たなビジネスモデルのプラットフォームになっていることを感じます。

 これまでの業務アプリケーション、業種アプリケーションを活用する際には、サーバーを導入し、そこでアプリケーションを運用するというスタイルばかりでしたが、最近では、新規商談の4割以上がクラウドベースで検討したいという形になっています。

 そして、今回の協業は、我々のパートナーシップ戦略とも合致しており、まさに、ベストパートナーシップといえるものです。その場限りのパートナーシップではなく、長い期間に渡って進化していく協業であり、関電システムソリューションズにおいて、これからAzure上で様々なアプリケーションが登場することを楽しみにしています。また、お客様に対しても様々なアプリケーションの選択肢を提供できるようになると考えています。


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