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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第9回

Droboのサポート体制のしっかり度をプリンストンで確認!

2016年02月03日 11時00分更新

文● 飯岡真志 編集 ●金子/ASCII.jp

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ファームウェアは最新に

――トラブルが起きないように、ユーザー側で心がけたほうが良いポイントなどあったら教えてください。

プリンストン そうですね、ファームウェアやDrobo Dashboardといったソフトウェアを最新にしておくことをお勧めします。実際、不具合が起きてサポートに電話いただいた際に、ファームウェアやソフトウェアのバージョンを最新にすることで解決するような事例もあります。

DroboをPCから管理するアプリケーション「Drobo Dashboard」。こちらも最新の状態にしておきたい

 ソフトウェアやファームウェアの新しいものは、アップデートのお知らせに書いてあるような修正項目以外にも、細かい修正がされています。たとえば、OSが更新されることで生じるいわゆる「相性」問題などにも対応しています。

 Droboシリーズの場合、新バージョンがリリースされれば、Drobo Dashboard上に通知が表示され、クリックするだけで簡単に更新できます。繰り返しですが、なるべく最新のものをお使いいただくのが良いと思います。

最新ファームウェアが登場すると、Drobo Dashboardにポップアップが

――ソフトウェアは最新版にしておくのは大切ですね! 次に、実際にユーザーサポートに寄せられるトラブルの事例は、どのようなものがあるのか教えてください。

プリンストン もっとも多いのは、Drobo 5D、5Nを問わず「パソコンにつないでいるのに、Droboが認識されない」というものですね。解決方法は、平凡ですが「環境をよくよく確認していく」に尽きます。

Drobo 5D(左)とDrobo 5N(右)。もっとも多いトラブルは、パソコンから認識されないケースだ

 たとえばDrobo 5Dの場合、別のUSBポートに挿してみる、また別のパソコンをお持ちでしたら、そちらで試していただく。これで解決することもあります。

Droboに適したHDD、適さないHDD

 またそれ以外ですと、HDDの種類に起因した問題も見受けられます。

――HDDの種類ですか? 具体的に教えてください。

プリンストン Droboの「Beyond RAID技術」は、様々な種類や容量のHDDを利用できるという利点がありますが、それでもDroboで利用するのに適したHDDと、あまり適さないHDDがあります。特にNASであるDrobo 5NやB810nは、ずっと電源を入れた状態で使用しますので、デスクトップPC用の安価なHDDよりは、24時間×365日通電して利用する前提の、「NAS用」「RAID用」などと謳われているHDDのほうが安心してお使いいただけると思います。

Archive HDDは要注意?

 同じ3.5インチの形状で、同じSATAインターフェイスを備えていても、HDDは様々な特性を持ち、それによって用途の向き・不向きが生じるものだ。

 特に今回聞いたなかで興味深かったのが、シーゲートのArchive HDDをDroboに載せた際のトラブルだ。Archive HDDは、SMR技術(Shingled Magnetic Recording)を採用することで、安価ながら5~8TBという大容量を実現した製品だ。SMRというのは、隣り合ったトラックを重ねるように記録する方式だ。そのためSMR技術を採用したHDDは、シーケンシャルにデータを書き込んでいくのには適しているが、ランダムな書き込みを行なうと速度が低下するといった特性がある。

 このような特性を持つため、Archive HDDはDroboや一般的なRAID機器での使用にはまったく向いていない。これらの機器にArchive HDDを搭載した場合、HDDをアレイに組み込む時点でエラーになるか、運良く組み込めても速度が遅すぎて実使用に耐えないということになる。プリンストンによるサポート情報ページ「推奨HDD・アクセサリーについて」にも、このことは明記されている。

 自作PCでは、自己責任でいろいろと試す(そしてたまに玉砕する)のが楽しいのは確かだが、SMR技術を採用したHDDをDroboで使うのは、試すまでもなく「アウト」なのである。

(次ページ、「日本の事情に合わせ、プリンストン社内でもHDDを検証」に続く)

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