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水素自動車でラリー! 全日本ラリーに参戦したトヨタ・MIRAIに乗った!

2016年01月23日 15時00分更新

文● 松永和浩 写真●松永和浩 編集●ASCII.jp

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 内装はラリーカーそのものだが、ドアの内張りは市販車のもの。パワーウィンドウもついたまま。そして張り巡らされたロールゲージは圧巻だが、室内高が高いので意外にも乗り降りはラク。リアシートが外された床下には、水素タンクが入る。そして燃料電池本体はフロントシートの下にある。ボンネットの中にはインバーターと走行モーター、そして補機類が入る。

 自動ブレーキ用のカメラは付いたままだ。機能をキャンセルしなければ立派に動作する。ロールバーを通すためにダッシュボード下部は切断されていた。むき出しのトランクルームにも水素タンク、そして燃料電池から来た走行用の電気を溜めておくニッケル水素電池のセルが鎮座する。

 運転席の写真を見ればわかるように、このMIRAIはオートマティック車である。水素で発電し、その電気で走行モーターを駆動するので、基本的にトランスミッションは存在しない。

 今回アシスタントを務めてくれた小林未来ちゃんでも簡単に運転できたのは、シフトやクラッチ操作が皆無なMIRAIだからこそ。

 筆者も1時間ほど運転したのだが、存外に乗り心地がいい。外環道を走っていると、ほぼフラットな乗り心地だった。競技車にありがちな突き上げなどはまったくなく、言ってしまえば1~2世代前のクラウンよりも乗り心地がいいほど。そのうえ、カーブなどでも車体が傾くことがなく、街乗りレベルでは四輪のタイヤのすべてに均等に荷重がかかっている印象だ。上半身はラリーカーに乗っている気分なのに、下半身は高級輸入車、それもかなり高額なクルマに乗っているような気分になる。

 車両を返却する際、その印象を国沢さんに伝えると「これはダンパーがいいからね」という一言。MIRAIは競技用のパーツが皆無なために、すべてがワンオフ、つまり一品製作なので、サスペンションのダンパーはかなりこだわって作っているとのこと。なお、スプリングの固さは10kgf/mmのようだ。

 コンビニも躊躇なく行けそうな乗り心地と、最先端のテクノロジーを併せ持つトヨタ MIRAIのラリーカー。これからの活躍にも期待できそうだ。

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