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電波望遠鏡が探る光学的には観測できない星間ガス分布

銀河系内に漂う「暗黒麺(ダークヌードル)」物質を発見

2016年01月22日 18時51分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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CSIRO's Compact Array(Copyright Alex Cherney)

 オーストラリアの天文学者は1月22日、銀河系内には見えない「麺のような」物質が漂っていると発表した。

 これはオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が発表した論文で、CSIROが所有する電波望遠鏡ATNF(Australia Telescope Compact Array)を用いた観測で、遠いクエーサーの電波が星間物質を通り抜ける際に変化するプラズマレンズ現象を利用し、肉眼では観測できない星間ガスの濃度を測定しようという研究。

 その結果、約3000光年ほど離れた位置にある星間ガス塊の存在が分かったという。サイズはほぼ太陽を周回する地球軌道程度、形状に関しては不明な点が残り、「麺(Noodle)ないしはラザニアのシート、またはヘーゼルナッツの殻のような形状かもしれない」と表現しており、いずれにせよ平べったい形状のようだ。

 電波望遠鏡で観測している最中にも、光学的に観測しようとしたが、自ら発光していないため観察は不可能だった。研究チームでは、このような光らないため観測できないガスが銀河には相当量存在しているのではないか、電波望遠鏡を用いてその分布を探る手法として有効であろうとしている。

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