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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第150回

ノリタケ伊勢電子の制作秘話を聞いた

真空管「Nutube」が単体販売へ、だが、実装製品の発売は?

2016年01月23日 12時00分更新

文● 四本淑三

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実装された製品はいつ?

 今回展示された試作品は、昨年公開されたギター用のプリアンプの進化版と、ヘッドフォンアンプの2種類。開発発表から1年。2016年のNAMMショー開幕もせまったタイミングでもあり、そろそろ市販を前提にした製品が登場してもいい時期だ。

今回展示された試作品のギター用プリアンプ。昨年のNutube開発発表時の試作品はストンプボックスタイプだったが、1Uラックに変更。クリーン/リードの2チャンネル構成で、リード側にはクリーン側のNutubeを使ってさらにゲインを上げる「DOUBLE」というスイッチも

バックパネルには、エフェクトのセンド/リターン、MIDIのIN/OUTのほか、USB端子やLINE入力もある。フロントパネルに「RE-AMP」というスイッチもありレコーディング用途も前提にしているのだろうか。「あまり気にしないでください」と言われたが気になる

―― 開発発表から1年経つわけですが、ずいぶん引っ張ってませんか。

遠山 いくつか候補はあるんですが、製品になったときにこの形でいいのかと。今年のはじめには製品として出そうと思っていたんですが、最初に出すならば、まず一番売れるもの、Nutubeにふさわしいものからという話になり、これで行きますという企画はすでにあります。

―― それはなんですか。

遠山 まだ言えないものです。

―― わかりました(笑)。

遠山 それとは別に、今回外販もやることになりました。最初は製品を出して、その後にと考えていたんですが。だから引っ張ったんではなくて、少し進んだんです。

―― 今回はじめて応用例としてヘッドフォンアンプが公開されましたが、もしかして。

遠山 あれは楽器、オーディオ、両方で使えますよということです。発表前は楽器メーカーさんの問い合せが多いのかなと思っていたら、意外とオーディオメーカーさんのオファーが多くて。であれば、オーディオでも使えるというデモを、というので作ってみたものです。

―― ノリタケさん側から、こんなの作ってほしいというリクエストは?

山下 増幅管の世界は未経験ですから、分野としても業界としても。何を作ったらいいかというアイデアは、私らは持ち合わせていないです。

―― たとえば、ご自身でほしいものは?

山下 最近はまたLPレコードが盛り返しているという話も聞きました。いままでiPodのような路線で走ってきたものが、次はどっちの方向に行くのだろうか。その中で真空管がまた脚光を浴びていくと、おもしろいかなという見方はしています。

―― では、コルグさんの市販製品はいつごろですか? そろそろNAMMショーが近いですが。

遠山 NAMMショーは、行かないとわからないですよねえ。

―― わかりました(笑)。今日はお時間いただきありがとうございました。

 なお、今年のNAMMショーは、1月21日から24日まで、アメリカはカリフォルニア州アナハイムで開催される。コルグから事前に発表されたNAMMショーへの出展製品には、Nutubeの関連製品はなかったが、果たして。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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