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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第214回

まだまだ現役、一太郎2016&ATOK 2016で文章入力効率をアップする技

2016年01月13日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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ATOKはさらに大幅な進化を遂げている

 ATOK 2016も多数の新機能を搭載している。まずは、「ATOKインサイト」。これは、参照している画面に表示されている単語を認識し、優先的に候補として表示してくれる機能だ。例えば、メールで返信する際、受信したメール内の単語を手軽に入力できるようになり、手間が省ける。ブラウザで情報を参照しつつ、文章を入力する際に、目的の単語がすぐに選べるのが便利だ。なお、ブラウザーはMicrosoft EdgeやIE、ワープロソフトはWordや一太郎2016、メーラーはShuriken 2016などに対応している。

「ね」と入力するだけで、表示中のウェブページに使われている「燃料消費率」が候補に表示される

一太郎2016で「ASCII.JP」と入力した状態で、別のエディタで「あ」と入力すると候補に現れる

 「ATOKイミクル」はわからない単語を選択して、Ctrlキーを2回押すと、ATOK連携電子辞典での検索結果を表示してくれる機能だ。一太郎上だけでなく、エディターやブラウザー上でも動作する。文章を作成している時に、ちょっとでも怪しいと思ったら確認する必要があるが、その手間が大きく省けるのが○。ネットで適当に検索するよりも、正式な辞典で検索する方が、信頼性も高い。

β版では辞典がないので、読みだけ表示される

実際の動作画面。Ctrlキーを2回押すだけで、辞典の内容をチェックし、正確な文章を作成できる

 ベータ版では試用できなかったのだが、「リフレッシュナビ」というユニークな機能も搭載される予定だ。ユーザーのタイピング数やミスの傾向などをチェックし、疲れていると判断したタイミングでリフレッシュを勧めてくれるのだ。入力精度や入力ミス回数、指の移動距離などがわかるのは面白そう。早く試してみたい機能だ。

リフレッシュナビのイメージショット

 タイピングミスを修正してくれる「ATOKタイプコレクト」も強化された。ホームポジションが左右や上下にずれたり、単語のうちの母音だけミスタイプしたときなど、人が見ても何をどう間違っているのかわからない状況でも正確な候補を表示してくれるのだ。例えば、ホームポジションが右にずれて、「stohsypi」と入力して「sとhsyぴ」と表示されても、きちんと「ありがとう」と表示されるのだ。

左から、ホームポジションが右にずれた場合、上にずれた場合、母音の入力をミスした場合の候補

 日本語を変換する際の候補リストの表示倍率を手軽に変更できるようになったのもうれしいところ。ノートPCならともかく、オフィスの大画面ディスプレーで作業していると、目と画面の距離が離れており、細かい文字が見えにくいこともあるためだ。

候補リストの右下にある虫眼鏡のアイコンをクリックすることで、表示サイズを大きくできる

 日本語入力ソフトはすべて学習機能を備えている。ユーザーが確定した文字を記憶し、優先的に表示してくれるものだ。しかし、誤変換もよくあること。ATOK 2016は誤変換を削除すると、学習効果もキャンセルしてくれるのが賢い。例えば、「期間」と入力したくて、「機関」と確定した場合、通常の日本語入力ソフトだと次に変換すると「機関」が最初に表示される。しかし、すぐにBackspaceキーで削除すると、その変換は学習されないのだ。訳のわからないミスタイプが候補に表示されるようなことがなくなり、入力効率が向上する。

 以上が、新機能を中心とした文章入力関連の注目ポイントだ。そもそも、ATOKは元から最強の日本語入力システムで、変換精度が高くミスのない文章をスムーズに入力しやすくなっている。対外的な文章を書くことの多い人なら、すぐに買ってよかったと納得するはず。おそらく一太郎もATOKも、これまでと同様に30日間の体験版が用意されるはず。ぜひ、1ヵ月間使い倒してほしい。製品版に移行したくなること請け合いだ。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。


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