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CES 2016レポート 第48回

CES 2016レポート

コレ欲しい!!CES2016会場で見かけた新種のスマートウォッチ6選

2016年01月09日 18時00分更新

文● イトー / Tamotsu Ito

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 CES2016の会場や併催イベントで見かけた新しいSmartWatchを6機種まとめて紹介。このジャンル、昨年は「とにかくSmartWatchと言っておけばいい」的なトレンド感があったが、今年はただSmartWatchだというだけでは目を留めてもらえない、という空気感がある。そんな中でも目立って印象に残るのは、「時計のついでに心拍や歩数が測れる」といったものではなく、フィットネス利用やスポール利用など、「専門ジャンルに特化したセンシング」をウリにしている製品じゃないだろうか。

 なお、すでにプレスデイのカンファレンス記事で紹介しているHuawei WATCHについてはこちらからどうぞ

カシオ MILスペックのアウトドア特化型ウォッチ「WSD-F10」

大ぶりなボディー。開発担当の方に聞いたところでは、アウトドア系ウォッチではこのくらいのサイズは珍しくないのだとか。また耐衝撃性などを考慮すると大きくなりがちという要素もあるそう。

側面には磁石で吸着する充電端子付き。なぜか表示が「晴海」の波の高さ情報。あくまで時計としての文脈から考えて、「AndroidWearじゃなければできないこと」に突き抜けているのが良いところ。

 日本での発売もう公表されているAndroidWear対応のアウトドアウォッチ。既報の記事の通り、日本でも3月下旬に発売される。予想実売価格は7万円前後。

 AndroidWearの本場でもあるアメリカでは、すでにアウトドア向きのサードパーティーアプリがある。カシオとしては純正にはこだわらずに、ランニング/サイクリングアプリ「Runkeeper」やリアルタイム天気レーダー「MyRadar」、ナビアプリ「ViewRanger」はプリセットアプリとして提供している。

 開発担当の方に聞いたところ、日本ではこうしたアウトドア系アプリは対応地域ではない場合が多いため、サービス会社に働きかけて独自開発する手法をとったそうだ。具体的には、日本気象協会提供の「Go雨!探知機」、トレッキング用の山マップ「YAMAP」がそれにあたる。この2つは、WSD-F10のみで動作するアプリということになる。

 AndroidWear対応ではあるが、競合ジャンルとしてはPolar(サイクルコンピュータ)やFitbit(フィットネス)などの機能特化型系のジャンルに属するスマートウォッチで、OSが同じだからといってサムスンの「Gear S2」やLGの「G Watchシリーズ」とは別モノという感が強かった。

オムロン フィットネス血圧計

時計というより計測機器から発展しているので本体は大きい。ただ、重量は見た目ほどではなくて、むしろ「あれこれだけ?」という程度の軽さ。十分身につけて歩き回ったり運動できるレベルだった。

「腕を心臓の高さに合わせる」という血圧計測の姿勢の都合上、手のひらを自分に向けた方が姿勢がラク。ということでバンドの内側に血圧計測用のディスプレイを搭載。

 オムロンブースで参考出展していたギア。フィットネスの文脈で開発したものではなく、血圧計にフィットネスの機能を入れてみたら……という文脈の製品。とはいえ、血圧計測以外に時計機能や、加速度センサーを使うと思われる睡眠時間計測、歩数などからのカロリー消費などの活動量計的なログをとることもできるわけだから、これは立派なスマートウォッチだ!(と言い切ってしまう)。

 血圧計測に関しては、バンドの内側がエアで膨らむ素材になっていて、本体内蔵のポンプで加圧して計測する仕組み。手首式だからと言って、腕を心臓の高さに合わせるなどの正しい計測姿勢を取れば、精度はコンベンショナルな血圧計と変わらないそう。

 オムロンはすでに「ウェルネスリンク」と統合フィットネスアプリを提供中だが、この製品が製品化された際にウェルネスリンク対応するかは検討中。発売を前提に開発中ながら、正式名称はまだないとのこと。アメリカ市場で2016年中、日本市場では2016年度中の発売を予定。価格は未定。

時計メーカーFOSSILのAndroidWear対応スマートウォッチ

275ドルと思ったよりは割安感がある割に、質感高めのボディー。大きいです。

時計表示。いろいろなウォッチフェースが用意されていて、着せ替えのように楽しめる。

 2015年後半に盛り上がったスマートウォッチといえば、時計メーカーの参入。その1つがFOSSIL。
 AndroidWearウォッチはケースのサイズが大きいものが多いが、この「Q FOUNDER」もかなり大きめで、ケースサイズ47mm。中身は、そのまんまAndroidWear。ただ時計メーカー製だけあって、デザインは「ちゃんと腕時計」しているところが好ましい。価格はFOSSILらしく手頃で、レザーベルトモデルで275ドル(約3万3000円)。バッテリー駆動は約1日。

 ちなみにインテル製SoC(Atomだ)を採用しているためインテルブースでの展示もあった。

■タグ・ホイヤー 伝統的時計メーカーのAndroidWear

デザインの良さや質感の高さではさすがに他社を圧倒。スポーティな外観にしているのもテック系ガジェットとの相性が良い。

こんな形でインテルブースでショーケース展示してあった。足を止めていく人が多かった。

 2015年に参入した時計メーカーの中で最も話題だったのはこちら。1840年創業のスイス系ウォッチメーカー、タグ・ホイヤー。既に日本でも発売されているが、その初のAndroidWearが「タグ・ホイヤー CONNECTED」。日本での価格は16万5000円。今の所、時計らしさで選ぶならこのCONNECTEDが最もデザイン的に美しいんじゃないだろうか。

 もっとも、タグ・ホイヤーもFOSSILもAndroidWearだから注目してる、という人はCES2016会場でもあまり見ない印象だ(物珍しくて見に来ている人たちはいる)。
 結局、"独自の機能がなければ価格差がいくらあろうともできることは同じ"という事実をユーザーも理解しているし、特にフィットネス系以外では生活必需品になるレベルのブレイクスルーがまだないという点が大きいのだろう。

バッテリー5日間が魅力のFitbitがつくるスマートウォッチ「blaze」

企業価値急上昇中ということでも注目を集めているFitbitのブースでの展示。カラバリが多数あるように見えるが、本体ユニットとベルト部分は別パーツになっている。ソニーのSmartWatch3と同じような構造。

こんな形で分離する。

 フィットネス向け活動量系の最大手級のFitbitがCES2016に合わせて発表したスマートウォッチ。現在プレオーダー中で、価格は199.95ドル(2万4000円前後)。
 GPSと心拍センサー内蔵。機能的には、ランニングや自転車などのマルチな活動量計測と睡眠センサーのほか、着信やテキスト通知(ノティフィケーション)、カレンダー表示、音楽の操作が可能。

 選択した運動を自動認識する"SmartTrack"や”自動睡眠記録機能”の認識精度は使ってみないことにはわからないものの、この機能/センシングが使えて、バッテリー駆動5日間というのはなかなか良さそう。日本での発売については追って発表があるはずだ。

LGのキッズ向けスマートウォッチ GizmoGadget

キッズ向けだけにUIデザインも子供受けしそうな雰囲気。ただし、機能的にはスマホ時代のハイテク感満載。149ドルで通信機能まで入ってるというのはかなり安く感じる。

 LGブースで見つけたキッズ向けスマートウォッチ。2015年末に発売されたもので、子供のリアルタイム位置情報が見えたり、子供と会話することができる。単なる監視デバイスにするのではなくて、子供でも使える楽しげなUIと、フィットネストラッカーやToDo表示などで子供も楽しく使えるようになっているところがポイント。

「子供の位置がわかる」というところから想像できるとおり、単体でCDMAの通信機能をもっていて、バッテリーは最大で8日、連続利用は2時間。子供が楽しがってしょっちゅう使ってるとすぐバッテリーが無くなるかもしれないが、結構優秀なスタミナ性能じゃないだろうか。価格は149.99ドルでアメリカの通信キャリア Verizonが取り扱う。

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