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マイクロサイズのジェットエンジンのインペラーなど、実に使えそうな技術

耐熱セラミックを3Dプリントする技術が開発

2016年01月06日 18時55分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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耐熱セラミックで細かな造形が可能となったことで、エンジンから電子部品などさまざまな用途が考えられる

 米HRL Laboratoriesは1月1日、耐熱・高強度セラミックを3Dプリントする技術を発表した。

 セラミックは耐熱温度や高硬度、軽量で耐腐食性があるため、各種工業製品から電子部品、生体インプラント素材までさまざまな用途に利用されている。基本的に陶器と同じく粘土を焼き固める製法であるため、焼き固める前に成形する製法が一般的。このため、大きく単純な形状の製品を製造するのには向いているが、小さくて複雑な形状を作るのは難しくコスト的に見合わなかった。

 HRL Laboratoriesはかつてハワード・ヒューズが航空機開発に立ち上げたヒューズ研究所を祖にする研究開発企業で、ボーイングなど大手航空会社の委託を受けて各種の研究を行なっている。新たに開発された3Dプリント手法は一般的な光造形3Dプリンターを用いるもの。特殊なポリマーの液状素材をレーザー光造形し、できあがった成形物を焼き固めることで製造している。

 シリコンオキシカーバイドセラミックと呼ばれている成形物は、同種の材料よりもはるかに高い1700度という高温に耐え、強度や耐摩耗性、耐腐食性も高いという。耐熱セラミックで細かな造形が可能となったことにより、ジェットエンジン部品から電子デバイス、微小電気機械など、さまざまな用途に利用できそうだ。

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