このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第10回

予想がつかない「おそ松さん」人気/刀剣乱舞が倍増/東方が久々に増加

コミケとpixivの二次創作人気を調べてみた(コミックマーケット89編)

2015年12月24日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

予想がつかない「おそ松さん」人気

 今回もpixivのイラスト投稿数を参考に次回サークル数の増減を予想してみます。前回から方式を改良した結果、前ページの通り14作品中11作品で約8割的中しました。今回も前回と同じく、コミケ申し込み前のpixivの各作品の投稿数から海外作家と中高生の推定比率分を除外した補正済みの投稿数を今回のサークル数と比較してサークル数が増減するかどうかを予想していきます。

 今回は11月1日から12月17日頃までのpixivの投稿イラストのデータを使用しました。

 グラフ4ではこの期間のpixivのイラスト投稿数を上記の方法で補正したものとコミックマーケット89のサークル数を比較しています。10月開始アニメでも二次創作人気が盛り上がっている「ワンパンマン」「おそ松さん」も載せてみました。

 次回コミックマーケット90の申込みは1月から2月上旬と見込まれますので、来期アニメの評価やコミックマーケット89中の発表などにも左右されますが、おおまかな傾向はつかめると思われます。

 今回の予想としては以下のような感じでしょうか。なおここでは前回比で5%に満たないような小規模な増減を微増または微減と表現しています。グラフ4で大きな差が見えない作品についてこう予想しました。

コミケ89→90でのサークル数変化予想
コミケ90の予想
艦隊これくしょん 微増または微減
刀剣乱舞 微増または微減
東方Project 増加
アイドルマスター 微増または微減
ハイキュー!! 微増または微減
黒子のバスケ 減少
弱虫ペダル 減少
ラブライブ! 微増または微減
TIGER&BUNNY 減少
進撃の巨人 減少
VOCALOID 微増または微減
Fateシリーズ 微増または微減
ヘタリア 微増または微減
Free! 減少
血界戦線 微増または微減
スプラトゥーン 増加
ワンパンマン 増加
おそ松さん 大幅に増加

 新しい作品で確実に多数のサークルが参加すると思われるのは「おそ松さん」。放送中のアニメのため今後次第ですが、現在グラフに入りきらない規模(期間中のイラスト投稿全体は5万超、補正後でも3万を超えています)での劇的なヒットをしています。

 初回のため1000サークルまで届くかは分かりませんが、次回夏コミで数百サークルは出てくると予想されます。ちなみにジャンルコードでは「アニメ(その他)」の扱いとなったようです。

 実際のサークル参加申し込み時期は1ヵ月後以降になるため大きく変動する恐れもあります(1月スタートのアニメの影響等)。

 また、次回以降のコミケは東京五輪の準備に伴う東京ビッグサイトの拡張工事などの影響があり、全体のサークルスペース数が毎回増減する見込みです。こちらの推定は全体の比率に対して行なっているものですので、全体の増減が影響する可能性もあります。ご了承ください。

コミックマーケット89のサークル数と、2015年11月1日~12月17日午前までに投稿されたイラストについて作品ごとにタグを名寄せして作品数をカウントしたものを海外投稿者・国内学生投稿者の比率で補正したもの。透過している緑の棒グラフがpixivの補正済み投稿数。pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。左右の軸はおおむね両値の比の平均(ただし「おそ松さん」を除外)に近くなるように調整している

 前回までの調査で、近い時期のpixivの投稿数からある程度次回の各作品のコミケ申込み規模が推定できることが分かり、また前回からの補正でより高精度に次回のコミックマーケットのサークル数増減を予想できるようになったのではないかと思います。

 今回もある程度外すと思いますが、どのような外し方をしているかを見ることでコミケとpixivの二次創作の関係などが読み取れるでしょう。たとえばVOCALOID・ヘタリアは海外人気の高さがあったため、新方式で補正して精度は上げたものの、それでもまだ予想が外れています。調整が不十分なのか、あるいは別の要因を検討したほうが良いかもしれません。

 今後こうした点の調整で精度をさらに上げられるかもしれません。検討していきたいと思います。

イベント告知

 コミックマーケット89では3日目木曜日 東ヒ-49aで参加します。新刊は恒例の「ニコニコ動画統計データハンドブック」の最新版です。

 米沢嘉博記念図書館では企画展示「江口寿史展 KING OF POP Side B」が開催中。1月23日(土)にはトークイベントも開催予定。ぜひご来館ください。


江口寿史展 KING OF POP Side B

2016年2月7日(日)まで開催

 江口寿史は、1977年のデビュー以来、30年以上にわたって、いつもその時代ごとの〈ポップ〉を形にし続けてきました。幅広く愛されるポピュラリティを持ち、それでいて、時代の先端ではじける軽さを兼ね備えること。『少年ジャンプ』の人気作家であることと、サブカルチャーの最先端に位置することを両立させられる稀有な資質を持つ作家だといえるでしょう。米沢嘉博記念図書館では、川崎市市民ミュージアムなどを巡回する「江口寿史展 KING OF POP」のSide B として、マンガやイラストの原画に加え、初出誌や関連資料を多く用いて、それぞれの仕事が置かれた時代の文脈を見ていきます。江口寿史の〈ポップ〉はどのような時代の気分の中で形作られ、またどのような時代の気分を形作ってきたのか。会期を4期に分けて探っていきます。

■会場:米沢嘉博記念図書館 1階展示コーナー
■期間:2015年10月9日(金)~2016年2月7日(日)
特別整理などで休館する場合あり。公式サイト、もしくは開館日に電話にて要確認。

■主催:明治大学 米沢嘉博記念図書館
■特別協力:玄光社、フリースタイル
■問い合わせ:米沢嘉博記念図書館
 〒101-8301 東京都千代田区猿楽町1-7-1
 TEL:03-3296-4554

会場は東京都千代田区の明治大学 米沢嘉博記念図書館。コミックマーケット前代表の故・米沢嘉博氏が蒐集したサブカルチャー資料などを収蔵する。また、期間限定ながら直近のコミケで収集された見本誌を閲覧できるレアな場所でもある

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン