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ネットアップ「Data Fabric」の価値をみんなで考えてみた 第3回

SMBユーザーに訴求するSEが考えたData Fabricの価値

ITインフラが充実した日本にData Fabricは合っている

2016年01月12日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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ネットアップで東日本地域を担当するSEを務める山田尚之氏の役割は、約5000社にのぼるSMBのユーザーに広くネットアップを知ってもらうこと。そんな山田氏にSMB市場におけるクラウドのニーズ、Data Fabricの価値を聞いた。

ネットアップ ソリューション技術本部 SE第3部 部長 山田 尚之氏

SMB市場でもクラウドファーストは進んでいる

SMBの市場でもクラウドの利用は進んでいます。ファイルサーバーもクラウドに移りつつありますし、メールサーバーを新規で構築しようなんて案件はもはや非常に少ないです。「クラウドファースト」というキーワードはSMB市場でも浸透しているという印象です。上司からクラウドを検討しろと言われている担当者方もいますし、ハードウェアトラブルで痛い目にあった会社もあります。クラウドであれば、故障したHDDの交換のためにサーバールームに行く必要がないので、オペレーションコストが下がるという期待は大きいです。でも、IT担当者は共通に運用は変えたくないと言います。特にSMB企業は運用担当者が少ないので、その悩みは企業の大きさに関わらず同じように持っています。

Data Fabricの価値は、やはりクラウドなり、オンプレミスに運用を変えずに自由に行き来できることだと思います。最近ではクラウドに移行したデータの半分がオンプレミスに戻ってくると予測する調査もあります。いずれにしても行ったり、来たりは発生するんです。こうした中、一番データを動かしやすいソリューション、やはりData Fabricだと思っています。

単語の意味で考えると、Fabricは「繊維」「構造」という意味です。FabricというとITの世界ではFiberFibre ChannelのSANとか、ネットワークファブリックを想像してしまい、われわれ日本人にはFabric本来の意味はなかなか伝わりません。ハイパースケーラー、プライベートクラウド、サービスプロバイダーを自由につなぐData Fabricのプレゼンを見ても、お客様は背景にある「繊維の格子柄」の意味がわからない。でも、あの絵はまさに伸縮性と柔軟性を備えた構造のことなんです。

では、Data FabricがどんなFabricかと考えると、“Elasticな”Fabricだと思っています。Elasticって「柔軟性がある」「伸縮性のある」という意味で、検索するとゴム紐とか、伸び縮みするパンツの素材が出てきます。つまり、Elastic Fabricは伸縮素材のことです。その点、Data Fabricはいつでもどこでもデータにアクセスできたり移動したり出来る柔軟性と伸縮性を備えるという考え方だと思っています。

クラウドから戻したいというニーズも確実にある

最近はクラウドに行きたいという声を多く聞きますが、来年もしくは再来年はオンプレミスに戻したいという声も出てくると思います。クラウドを行ったり来たりで重要な要素は、やはり可搬性のある「仮想化」技術です。弊社のData ONTAPはSVM(Storage Virtual Machine)という形で、ストレージ自体が完全に仮想化されています。当然、移動先にData ONTAPが動いていないと、動かせないわけですが、サービスプロバイダー含めグローバルでもっとも使われているストレージOSはData ONTAPです。ですからData ONTAPは確率的に一番データを移行しやすいプラットフォームなんです。今後のクラウドを見据えた投資のリスクが少ないストレージはネットアップですとお客様にご案内しています。

先日発表されたData ONTAPの新バージョンでは、SVM単位でのマイグレーションが可能になりました。今までは「SnapMirror」でデータだけはマイグレーションできたですが、移行先でサービスを立ち上げる為にはCIFSの設定やIPアドレスの変更が必要でした。でも、これからはSVM単位でネームスペースごとvMotionのように移動できるようになります。Cloud ONTAPを導入していただければ、オンプレミスからAWS上のONTAPにSVMごとデータをマイグレーションすることが可能になります。よく「サーバマシンは鳥のように飛んで移動できるけど、データの移動は象のように重い」といった図が出てきますが、ある程度の規模であれば、クラウドへのマイグレーションは現実的な選択肢です。

弊社のclustered Data ONTAPはFASに搭載されていますが、もともとハードウェアに依存しません。AWS上でも動くし、サービスプロバイダー向けに「Data ONTAP Edge」というソフトウェアも提供しています。だから、どこでも動きます。Amazonのマーケットプレイスで提供されているエンタープライズクラスの管理機能を持つストレージは現在でもネットアップしかありません。オンプレミスとAWSをシングルコンソールで管理できる「OnCommand Cloud Manager」というソフトも提供しています。データの移動やSVMの作成もボタン1つでできます。

日本は「こんなにデータセンターあるの?」と米国の人に驚かれるくらい、データセンターの密度が高い。ネットワーク帯域も充実しており、日本はITインフラに恵まれています。ですから、ハイパースケーラー、サービスプロバイダー、オンプレミスを行き来できるData Fabric戦略は、日本に合っているんです。

「NetApp Innovation 2016」が東京、大阪、名古屋で開催

 

国内最大のストレージイベント「NetApp Innovation」が今年も東京、大阪、名古屋で開催される。今年のテーマは「データ ファブリックへようこそ」。未来につながるデータ管理のビジョンであるデータ ファブリックの概念を紹介すると共に、データ ファブリックが実現する3つのテーマを分科会セッションやさまざまな展示コンテンツを通して紹介する。

詳細はこちら


(提供:ネットアップ)

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