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新種というだけでなく、新たな「科」と判明した微生物

発見後35年目にして初めて学名が付いたマウスの肺炎病原体

2015年12月10日 11時52分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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Vero E6細胞と共培養したフィロバクテリウム・ローデンティウムの透過電子顕微鏡写真

 理化学研究所(理研)は12月7日、1985年に発見されていた未分類のままだった細菌が新しい「科」に属するものだということを発見、命名した。

 マウスやラットに慢性呼吸器疾患を起こす肺炎病原体「CAR(カー)バチルス」と呼ばれる細菌は、1985年に発見されていたが、これまで正式な学名が付けられていなかった。これは通常の寒天培地で増殖せず、学名を付けるために必要な基本性質が調べられなかったため。

 理研では、新たな単独培養する方法を見出し、基本的な性質を調べることに成功した。すでに学名の決定している細菌と遺伝子配列と比較した結果、明らかに異なる配列を持っていることがわかった。

 細菌の系統樹を描いて調べてみると、単に新「種」であるというだけではなく、分類学上の「科」レベルの新しい生物であると判断。バクテロイデス門スフィンゴバクテリウム目の新しい科であるフィロバクテリウム科(Filobacteriaceae)として、その中の新しい属であるフィロバクテリウム属の新種「フィロバクテリウム・ローデンティウム(Filobacterium rodentium)」と命名した。

 マウスやラットに感染して実験結果に影響を及ぼすことから世界各地の実験施設でモニタリングが行われている病原体は10~30種類あるが、そのなかでも日本人が命名した初の病原体という。また、同種の細菌はマウスやラット以外でも見つかり、培養方法や分類学上の位置が決まったことにより、これらの研究がさらに進むことが期待される。

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