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FileMaker 14で史上最高の売上獲得できそう

ファイルメーカー社長「いま、FileMakerはとにかく好調」

2015年11月27日 18時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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FileMaker 14はCPU負荷大幅減

ーー FileMaker 14ではさまざまな新機能が搭載されていますが、中でもおすすめの強化ポイントはどこでしょう?

スクリプトワークスペースを実装したFileMaker 14。ビル・エイピリング氏は、一度使うと戻れないと思う、と話す

リック「第一にスクリプトワークスペース。スクリプトを作成したり、編集したり、それをシステムに実装したりということが、非常に効率よくできるようになりました。それから、起動センターですね。あと、FileMaker Pro、FileMaker Go、Web Direct、どれでソリューションにアクセスしても(※1)近い使い勝手を維持できるようになったのが大きいです」

フランク「Web Directは、100台までの同時接続も可能になりました。これまでは50台だったので、大幅な機能強化ですね」

ーー 最大同時接続数を2倍にするというのは、技術的な苦労が大きかったのでは?

起動センターは、FileMaker ソリューションを統括的に起動できるクロスプラットフォームのインタフェース。FileMaker製品ライン全般を通じて一貫した方法でソリューションアイコンを表示できる。明快なアイコンでわかりやすい

フランク「ええ、これは大変でした。エンジニア複数名で、アプリケーションの構造をすべて見直しました。CPUやメモリーにかける負荷をいかに減らせるかということなので、アプリケーションのどの部分にリソースが割かれているのか、よく分析して、効率化をはかっていくという作業です。結果的に同時接続可能台数が2倍になったので、効率が随分よくなったと言えますね。これまでは余計なところにリソースを割きすぎていたんです」

※1 FileMaker ProはMac/Windows向けのデータベースソフトウェア、FileMaker GoはiOS向け、Web Directはブラウザーを通してローカル版のFileMaker Proと同等の操作感でソリューションにアクセスできるもの。

Android向けは今後もなし、iOSと共に進化させる

ーー FileMaker Goは登場から何年か経ちましたが(2010年リリース)、展示を拝見したところ、いまは多くのソリューションで利用されているみたいですね。

カンファレンスで展示されているFileMakerを利用したソリューション。医療分野、受付システムなどサービス業の分野が目立つ印象

Bluetoothで連携するプリンター一体型レジスターシステム。スター精密によるFileMakerに対応したソリューション「Star PassPRINT」と連携させ、レシートを印刷するデモが展示されていた

広大な敷地を管理するためのソリューション。iOSで入力したデータをPCに同期させ、データベースに蓄積していくシステム

リック「確かに、だいぶ普及したことは言えますね。バーコードスキャン機能やカメラ機能を強化してからは、より色々な用途に対応できるようになりました」

ビル「FileMaker Goは今年の4月に150万ダウンロードを記録しています。大きく普及しました」

ーー 今後、Android向けにアプリを提供する計画はありませんか?

ビル「Android向けはいまのところ考えていません。FileMaker Proと、iOS向けのFileMaker Go、その他のOSのモバイル機器はブラウザー経由でWeb Direct。このラインアップはそのまま続くと思います。FileMaker Goに関して言えば、iOSに新しく実装されたAPIをどう活かそうか、という視点からも新しいソリューションが生まれたりしますし、iOS端末の進化に合わせて進化していくような面もあります。ハードに合わせたソフトの進化ですね。iOS以外のモバイル端末からFileMakerのソリューションを利用する場合は、ブラウザー経由でWeb Directを使っていただきたいですね。Web Directで対応できる範囲を広くしたFileMaker 14では、Androidに限らず、Windowsのモバイル端末からもFileMakerのソリューションが使えるようになっていますので」

ーー それでは、Apple Watchを活かすことは考えていますか?(この日、ビル・エプリング氏とリック・カルマン氏はApple Watchを装着していた)

テクニカル・ユニオンによる勤怠管理システム。Apple Watchに対応させている

ビル「Apple Watchには注目していますが、まだまだ出てきたばかりのデバイスなので、なんとも言えませんね。ただ、これから盛り上がってくる分野だと思うので、とにかく注目はしています」

ーー 「注目はしているけれど、具体的な計画はない」というところですか?

リック「今日、具体的に言えることは何もない、というところです(笑)」

ーー 最後に、FileMaker30周年を迎え、いま、ぜひ伝えておきたいということがあれば、教えて下さい。

ビル「いま、FileMakerのビジネスはとにかく、とても好調だということ。ユーザーの獲得数が過去最高になっていることから、これまで以上に盛り上がりを見せていると言えます。他国で、カンファレンスの来場者数が過去最高になった国も何ヵ国かあります。もしもファイルメーカーが株式を公開していたら、どんなことになっているだろう? 見てみたいものだと感じているんです!(笑)」

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