動画編集は“QSV”の進化がカギ
まずはQSVをオフにして、純粋にCPUだけでH.265出力した場合を見てみると、Core i5-430M搭載PCと比べCore i5-5200U搭載PCで約1.3倍、Core i5-6200U搭載PCで約1.5倍高速化していることがわかる。動作クロックは多少違うとはいえ、最大でも1割ほどしか変わらないことを考慮すると、IPC(=Instructions Per Clock)、つまりクロックあたりの命令実行数(=処理性能)が大きくアップしていることがわかる。さらにQSVを使った場合を見てみると、約9.5倍にまで超高速化。これだけ速ければ、ちょっとした再編集で長いこと待たされることなく、サクサクと動画を作れるはず。
なお、1世代前のCore i5-5200U搭載PCでも、H.264出力ではQSVが利用できるので、H.264出力(1920×1080ドット、16Mbps)でも試してみた。結果、QSV非対応のCore i5-430M搭載PCで40秒かかったところ、Core i5-5200U搭載PCでは8秒と約5倍の性能差となり、最新のCore i5-6200U搭載PCと差がなかった。H.265出力にこだわらなければ、1世代前のPCでも十分戦力になるだろう。
まとめ
さて、駆け足で気になる3D性能と動画エンコード性能を見てきたが、第6世代Coreを採用する最新ノートPCは、5年前のノートPCと比べると大幅に進化していることがわかった。もちろんこれ以外にも、ストレージやメモリーなどの性能もアップしているので、体感ではこれ以上の性能差が感じられるだろう。
古いPCが壊れる前に買い替えるというのは若干抵抗がある人もいるかもしれないが、壊れてから慌てて買いに行くよりも安全に移行作業ができる環境のときに買い換えした方がいいのは確かだ。少なくとも5年前以上のPCを使っているユーザーであれば、歴代最強のCPUである第6世代Coreと今後の主流OSとなるWindows 10を採用している、この秋冬モデルが買い時であると言える。