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最高級DIGAとして、11月に発売 

世界初のUHD BD再生機「DMR-UBZ1」の開発者を直撃

2015年10月20日 08時50分更新

文● 折原一也、編集●ASCII.jp

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UltraHD Blu-rayの高画質には、HDRがキーワードになる

 UltraHD Blu-rayの規格の中で、4K解像度と並んでクローズアップされているのがHDRだ。ここ1年の間に、頻出するようになった言葉で、次世代の高画質を占う、最重要キーワードのひとつとなっている。

 HDRが取り入れているのは、映像を収録する輝度のレンジを大きく拡張することで、現実世界の眩しさや煌めきを再現していこうという考え方だ。現行のBlu-ray Discや放送がブラウン管時代の100nitを想定していたのに対して、HDRでは最大輝度を1万nitと、実に100倍にまで拡張している。

 取材時にDMR-UBZ1のデモとして、パナソニック映像が制作したデモ動画を見た。実際にUltraHD Blu-rayカメラで収録した日本の風景や伝統芸能の技を収録したソースであり、これを観るだけでもHDR対応によってもたらされる映像の実存感とも呼べる絶大なインパクトに驚嘆する。

映像ソースから。実際に目で見ているのと同じものを写真で撮ることはできないのだが、暗所から金粉のきらめきまで非常にリアルな表現をしていた。

 実は映画館で投影される映像の輝度は50nit程度。一般的な液晶テレビの輝度も500nit程度なので、果たしてそこまで高輝度にする必要があるのかと感じる読者もいるかもしれない。これについて甲野氏は以下のように話す。

 「HDRの高画質なソースでは眩しすぎるのではないかと、心配する人もいるかと思います。しかし、例えば火の粉の散るシーンなど、面積が狭ければまぶしく感じることはありません。それよりも重要なのは暗い部分まで色が出せることや、輝度レンジが増えることにより、映像全体の精細感が上がってみえることです」

火の粉や熱く熱せられた刃はより鮮烈に、一方で暗い周囲の風景のグラデーションは緻密に表現している。

 もう一つ重要なのは、HDRで広くなった輝度レンジの中で、階調を正しく表現するためにビット階調が10bitに拡張されている点だ。この扱いをどうするかがポイントになる。

 「まずUltraHD Blu-rayのフォーマットに対応するためには、HEVC/10bitをデコードできる能力が必要です(BDはAVC/8bit)。システム設計的には階調を全くロスしないシステムとすることに気を使っています。実はパナソニックではBDでもBlu-rayに12bitの色信号を収録する"MGVC"(マスターグレードビデオコーディング)を手がけてきました(関連記事)。その時の開発ノウハウは活かされいます。

MGVCの概念図

 UltraHD Blu-rayの映像信号では、HDMI 2.0の18Gbps伝送のケーブルを用いることで、映画の4K/24pであればクロマ信号4:4:4の12bitまで出力できます(ビデオソースの4K/60pでは4:2:2の12bitまで)。

 またUltraHD Blu-rayでは、すべてのソースがプログレッシブ信号で収録されるため、インターレース信号をプログレッシブ信号にするI/P変換が必要ありません。逆に言うと、プレーヤー側で画質に影響が出る処理は少なくなります。だから4:2:0で収録されている映像信号で失われた色の情報を4:4:4にアップサンプリングする箇所が高画質のポイントとなると思います」

 なお、UltraHD Blu-rayに収録されたHDR映像を表示するためにはテレビ側の対応も必須だ。今後テレビメーカー各社が進めていく「HDR対応」が実質的なUltraHD Blu-rayの信号への対応と言っていいだろう。

CX800N

 パナソニックのVIERA CX800シリーズ(関連記事)を皮切りに、この秋には各社の2015年モデルが続々とアップデートでHDR信号入力に対応することになる。

18Gbps伝送に対応するケーブルも用意。DMR-UBZ1には付属する。

 なお、DMR-UBZ1には、HDR非対応のテレビでHDR情報を反映する"HDR→SDR変換"機能も搭載されている。これはUltraHD Blu-rayの規格上プレーヤーの必須機能だが、どのような形で変換するかはメーカー側に任せられているので、差がつく部分だろう。そのため2014年以前に発売されたHDR非対応モデルでも作品自体の視聴ができる。またHD解像度のテレビへのダウンコンバート出力もできるので、再生互換性は全く心配することはない。

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