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タワー型のデスクトップと性能比較

ハンドル握って外へ持ち出せ! GTX 980搭載の小型PC「LITTLEGEAR」

文●鈴木誠史/ASCII.jp

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GTX 980の性能はどこまで発揮できるのか、「NEXTGEAR」と比較

 本体構造を工夫することで、小型さと構成の幅広さを両立させたというLITTLEGEAR。だが小型ケースの排熱性には限界がないか、ハイエンドビデオカードの性能をどこまで発揮できるかは試してみなければわからない。ここからはCore i7-6700とGeForce GTX 980を搭載する「LITTLEGEAR i310PA1」を試用して、性能をチェックしてみよう。

 本記事では比較対象として、同じくGeForce GTX 980を搭載する「NEXTGEAR i650PA2」を用意した。一回り二回り大きいシリーズのPCに対して、LITTLEGEARは性能でどれだけ迫れるだろうか。両機種のスペックは以下の表のとおり。主にCPUとメモリーが異なる点に留意してベンチマーク結果を確認していただきたい。

NEXTGEARと並べてみる。LITTLEGEARのサイズは、高さがおよそ半分程度。奥行も3分の2ほど

LITTLEGEAR i310PA1NEXTGEAR i650PA2
CPUCore i7-6700(3.4GHz/最大4.0GHz)Core i7-6700K(4.0GHz/最大4.20GHz)
メモリー8GB PC3-1280016GB PC4-17000
ストレージ1TB HDD2TB HDD
グラフィックスGeForce GTX 980
チップセットインテル H110 Expressインテル Z170 Express
電源700W(80PLUS GOLD認定取得)700W(80PLUS BRONZE認定取得)
価格17万2584円(税込)19万4184円
(税込、台数限定キャンペーン価格)

 まず、「PCMark 8 Creative CONVENTIONAL 3.0」でマシンの総合的な性能を測るところから始めた。比較機のスコア「4662」に対して、LITTLEGEAR i310PA1は「4635」。驚いたことにほとんど差がない。仮にどちらも同じCPUでテストしたなら、ほとんど同じ数値が出るのではないだろうか。

 両機種のスコアに差が出なかったのは、ベンチマークの負荷が軽かったからかもしれない……と思い、グラフィックス性能を計測する「3DMARK」で最も負荷がかかるFIRE STRIKEを実行した。比較機の総合点は「11420」で、LITTLEGEAR i310PA1のスコアは「11016」とこちらも僅差。CPUとビデオカードからの発熱がかなりある状況下でも、NEXTGEARクラスのデスクトップとほぼ変わらないパフォーマンスを発揮してくれるようだ。

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では「非常に快適」と、ゲーム系ベンチマークでも最高評価が出ている

高性能PCを求める人にとって、LITTLEGEARは強力な選択肢になるはず

 LITTLEGEARには「小型で持ち運べる」というメリットがある分、性能面にはある程度ガマンが必要なのではと思っていた。が、このとおり性能の低下はほとんどなかった。上のベンチマーク結果が(ただ単に搭載可能なだけではなく)本当の意味でハイエンドなビデオカードに対応している証拠だ。

 とはいえ3DMARKの実行中は、内部の熱を強力に排出するため、本体両側面(特にビデオカード近く)が長くは触れられないほど高温になったり、メモリー容量が最大16GBまでだったりと、ほかのシリーズと同等とはいかない部分ももちろんある。今後このあたりも改善されれば、LITTLEGEARはよりハイスペックを志向するゲーマーにとってもかなり強力な選択肢となるのではないだろうか。なんにせよ選択肢が増えるのは好ましい。欲しいスペックのパソコンを用途に合わせて「LITTLEGEAR」「NEXTGEAR」「NEXTGEAR-MICRO」「MASTERPIECE」の4シリーズから選べるのだ。

 Pentium G3250、GeForce GTX 750搭載のエントリーモデル「LITTLEGEAR i300BA1」なら、6万4584円(税込)で手に入れられる。最上位の「LITTLEGEAR i310PA1-SP5」(Core i7-6700K、GeForce GTX TITAN X、256GB M.2 SSD搭載)で、最強の小型デスクトップを持ち運ぶのもいいだろう。

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