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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第85回

最高のデバイスの、最悪なバックアップ体験―3日たっても復元しないiPhoneの環境移行

2015年09月30日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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iPhoneの復元の際、iCloudからの復元、iTunesからの復元、新しいiPhoneとしてセットアップ、Androidからのデータ移行が選択できる。画面に「復元とは?」と書いてあるが、まさに問いたい気分

 先週はちょうどタイミングも良く、iPhone 6s Plusの先行レビューをお届けすることができました(関連記事)。9月25日の発売日には、筆者もバークレーにある最寄りのApple Storeへ行き、iPhone 6s Plus 64GB スペースグレーモデルを手に入れました。

 以前セットアップしていたiPhoneは借り物だったので、今度こそ自分のiPhoneをセットアップしようと試みたのですが、このセットアップが前途多難、困難を極めており、本記事執筆中の9月28日、つまり3日たっても解決していません。

 もう「新しいiPhone」としてセットアップしちゃおうかなと折れそうな心が皮一枚でつながっている状態です。その話の前に購入の際の新プログラムについて補足しておきましょう。

iPhone 6s Plusは
iPhone Upgrade Programを活用して購入した

 今回の購入では、以前本連載でもご紹介した、iPhone Upgrade Programを利用しました(関連記事)。月々40.75ドルを12ヵ月支払えば、次のiPhoneに乗り換えられる仕組みです。結果的には7ヵ月分ほどの分割代金が浮いた計算になりました。

 iPhone 6s Plusの代金を24回の分割払いで購入するため、“信用情報のチェック”が必要になります。そのため、社会保障番号(Social Security Number、SSN。日本でいうマイナンバー)、写真と生年月日が確認できる身分証明書、第二の身分証明書、米国発行のクレジットカード、既存の携帯電話番号を提示しなければなりません。

 SSNは徴税用の個人番号として、1936年にニューディール政策の際に作られ、現在では米国の市民、永住者、外国人労働者に発行されています。事実上、個人識別番号、もしくは米国での存在証明のような役割を果たしています。

 信用情報もSSNに紐付けて蓄積されているため、学生ビザで渡航している人など、SSNを持たない場合は、iPhone Upgrade Programでの信用情報チェックが通らないとみられます。ちなみに多くの人は、運転免許証とクレジットカードの組み合わせを身分証明として利用しますが、このうちクレジットカードの発行にはSSNが必要であることからもSSNが生活の上で重要なことがうかがえます。

 信用チェックも無事に通り、まずはiPhoneの分割払いでの購入手続きを済ませました。続いて、それまで使ってきたiPhone 6 Plusの下取り手続きになります。Apple Store店頭での査定で、375ドルという高評価が得られました。Apple Storeのギフトカードか、クレジットカードへの入金を選ぶことができ、後者を選択。

 初回の支払いには定価849ドルに対する9.5%の消費税(みたいな税金)も加算されます。これを加味しても、約7ヵ月分をiPhone 6 Plusの下取り代金でまかなえました。

バックアップからの復元ができない……

 iPhone 6s Plusについては、事前のレビューでも非常に満足するアップデートだったと感じています。ハードウェアでの問題点は、前モデルからさらに20g重くなったこと。片手で扱う時間を極力減らすべきだと思いました。

 さて新しいiPhoneを買ってきて、まずすることは、バックアップからの復元です。これがまったく上手くいかないのです。せっかく最高の端末を買ってきても、3日たってまだ使い始めることができない。そんな最悪の展開を、誰が予期していたでしょうか。

データなどは復元できたが、アプリのインストールがいっこうに進まない問題に見舞われている。一晩寝かしてみても、1つもインストールができていないところを見ると、ネットワークの遅さや負荷などとは異なる問題に見える

 iOSと組み合わせて利用するiCloudには、バックアップ機能があります。iPhone発売に先行してiOSのバージョンアップが行なわれ、最新版はiOS 9になりました。ちなみに、セットアップ時に問題があるとして、iOS 9.0.1がすぐに公開されました。

 これを導入したうえでiPhone 6 Plusのバックアップを作成してあります。iCloudを活用した環境移行の流れは、古い端末のデータをiCloudバックアップで保存し、これを新しい端末で読み込むという手順です。非常にシンプルなはずでした。

 バックアップは順調に進み、元の環境を取り戻してiPhoneが起動しました。ここで、App Storeからインストール済みのアプリをダウンロードする手順が始まるはずなのですが、この作業がいっこうに進みません。一晩寝かしてみても、1つのアプリのインストールも完了しない状態。

 Appleのデフォルトアプリ以外が利用できない状態で、App Storeから個別にダウンロードしようとしても、症状は変わりません。


(次ページでは、「Appleのサポート情報、iTunesバックアップを試みるも……」)

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