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これぞ! という優位点をなかなか見いだせない

Apple Musicに踏み切れない理由を考えてみる

2015年09月27日 12時00分更新

文● 四本淑三

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 いよいよApple Musicの無料期間が終わるぞ、さあどうしよう。というのが今回のテーマです。

 もはやはるか昔のことのように思えますが、Apple Musicのサービスインは、2015年6月30日。その日に登録を済ませたみなさんは、私と同様、10月からはタダでは済みません。課金して継続使用か、ほかに乗り換えるか、すっぱり止めるか、一緒に現在のいろいろを考えながら悩みましょう。

 と、そんな逡巡をめぐらそうとしている、そのタイミングを見計らったかのように、Google Play Musicが日本でもサービスイン。10月18日までに登録すると、ずっと780円で使えるというディスカウント付きで。

 卑怯とは言いませんが、これもiOS 9の広告ブロックでより鮮明となった、Apple vs. Google戦争の一環なのでしょうか。

 果たしてApple Musicはユーザー離れを防げるのか。Googleはどこまで領土を拡大できるのか。さあどうなるんだ。

音楽定額配信は三つ巴かもしれない

 そうこうしているうちに、Amazon.co.jpが「プライム・ビデオ」を始めました。年会費3900円を払ってプライム会員になると、映画やテレビ番組が見放題という、あのサービスです。

 このプライム会員向けサービスには「Prime Music」という定額音楽配信サービスも付いてきます。ただ日本では音楽業界のみなさんが首を縦に振らないので、今のところ付いてきていません。なにせ年会費3900円を12で割ると月額325円ですから、そんなもので聴き放題になったらたまったものじゃない。しかもオマケ扱いとかお前らふざけんな。ま、そういう感じでしょうね。当然です。

 しかしAmazon様の立場から言えば、プライム会員を増やして自社サービスを使わせるのが目的ですから、聴き放題で稼がなくても別に構わない。思うように収益を上げられず苦戦中の他サービスを尻目に、悠々と音楽の無料バンドル化を進められる立場にあるわけです。

 改めて言うまでもなくデジタルコンテンツの販売競争は、Amazon、Google、そしてAppleが覇権を争っています。この三社に共通しているのはクラウドサービスを展開し、電子書籍、テレビ・映画、音楽などのコンテンツ販売を行ない、それらを見るための携帯端末やTV向けのセットトップボックスを販売していることです。

 音楽に限っていうなら、ダウンロードストアと定額配信サービスの両方を持つのも、この三社だけです。サービスのスペックとしてほかを上回るだけでなく、この三社がほかのサービスより有利なのはレコメンデーション精度になると思われます。特にAmazonやGoogleが本気を出すと怖そうです。

 ユーザーは思った音源に到達できないとサービスから遠のいてしまいます。そこでライブラリを回していく方策として、レコメンドが重視されるわけです。

 サブスクリプション型のサービスは、現存するあらゆる音源の収蔵を目的としたようなもの、たとえば国会図書館のようなものが理想なのだと思いますが、それを私企業がやるのは資金的に難しい。実はそれに一番近かったのが、合法化前のNapsterなわけですが、それでお金を取ることもできません。

(次ページでは、「Apple Musicに思う不満」)

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