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iPhone版おサイフケータイ「Apple Pay」でロンドンの地下鉄に乗った!

2015年09月26日 12時00分更新

文● 山口健太

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1日の上限金額があるキャップ制も有効

 オイスターカードの特徴として、料金のキャップ制があります。たとえばゾーン1の切符は2.3ポンド(約420円)ですが、1日の上限金額は6.4ポンド(約1200円)で、何回乗ったとしてもそれ以上の金額が引かれることはありません。

 筆者は同じ日に地下鉄に3回、さらにバスに2回乗ってみたものの、6.4ポンドでしっかりキャップがかかっており、それ以上は引き落とされていませんでした。ただしロンドン交通局は「iPhoneとApple Watchなどの複数のデバイスがあるときは混在して使わないように」との注意書きを出しています。

ロンドンでは、有名な赤い2階建てバスが多数走っている。写真はオックスフォード通りでバス渋滞が起きている様子

バスは前から乗車し、黄色いリーダーで支払う。キャップ制は地下鉄とバスで共通だが、バスしか乗らない人のための安いキャップもある(1日4.4ポンドが上限)

 ここで気になったのは、事前にPassbookアプリを開いて準備すべし、という乗り方です。実際には、画面オフ状態のiPhoneを黄色いリーダーにあてるだけでPassbookアプリが自動的に起動し、指紋認証後に乗ることができました。

 これはApple Payとしては標準的な使い方ですが、時間がかかるのが難点です。ラッシュ時のロンドンは東京に匹敵するほど混雑することもあり、なるべくスムーズに改札を通過できるよう、あらかじめ指紋認証まで終わらせておく方法を案内していることがうかがえます。

テムズ川の船やスーパー、マクドナルドでも使える

 オイスターカードが使えるのは、電車とバスだけではありません。テムズ川を行き来する水上バス「テムズクリッパーズ」にも対応しています。

エンバンクメント駅近くにある、テムズ川の水上バスチケット売り場。窓口ではApple Payを使ってチケットを購入できた。ただし料金はオイスターカード利用時の6.44ポンドではなく、正規料金の7.15ポンドだった

桟橋で船の到着を待つ。なお、9月中旬からはオイスターカードで直接乗船できるようになるとのこと。次からはApple Payで直接乗ることができそうだ

なお、ロンドン交通局が運営するコミュニティサイクル「Cycles」はオイスターカードに対応しておらず、Apple Payでも乗れなかった

 ほかにもロンドンのスーパーマーケットやマクドナルドで、Apple Payによる決済が利用できました。このあたりはMasterCardのPayPassなどの非接触決済に対応した海外都市と同様ですが、マクドナルドの端末にはApple Payのロゴがありました。

イギリスのスーパーマーケットのひとつ、Waitrose。Tescoなどに比べて高級スーパーという位置付けで、紅茶やチーズの売り場でも高級品が目立つ

支払い端末には非接触決済に対応しているとのPOPが。試しにiPhoneを当ててみると、Apple Payを利用できた

最近、海外のマクドナルドでよく見かけるセルフオーダー端末。タッチ操作でメニューを選択、支払いを終えたらカウンターに行って商品を受け取るだけ。店員と会話したくない人に便利なシステムだ

ロンドンではクレジットカードに加えて、非接触決済やApple Payにも対応していた。クレジットカードリーダーにiPhoneを当て、指紋認証することで支払いが完了する

Apple Payは早く日本にも対応してほしい

 こうしてロンドンではApple Payを便利に使えることが分かりました。オイスターカードのシステムはロンドンだけですが、Apple Pay自体は英国全土に普及が進んでいくものと思われます。

 ただ、筆者のApple Payはファーストハワイアンバンクが発行したデビットカードによるもので、これは決して経済的とはいえません。銀行口座に送金する手数料が割高だからです。単に非接触決済を使いたいだけなら、ドコモの「iD/PayPass」を海外利用することで毎月1万円がキャッシュバックされるキャンペーンのほうが、はるかにお得でしょう。

 日本ではこれだけiPhoneが普及しているだけに、一日も早く日本のクレジットカードやデビットカードでApple Payが使えるようになってほしいものです。


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