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100年後に残るサービスへ 「LaFabric」のこだわりと挑戦 (1/2)

2015年10月01日 11時00分更新

文●野本纏花

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最新トレンドを実践するEC事業者に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。前回に続き、カスタムオーダーできるメンズファッションのECサイト「LaFabric(ラ ファブリック)」を取りあげる。「LaFabric」を運営するライフスタイルデザイン代表取締役兼CEOの森 雄一郎氏は、ファッションECの未来をどのように捉えているのか。話を聞いた。

「All Made In Japan」へのこだわり

LaFabricは、前身となるサービスを2014年2月に立ち上げ、1年あまりのテスト期間を経て2015年3月に正式リリースした、スタートしたばかりのベンチャー企業だ。現在のメンバーは、アルバイトも含めて13名。移転したばかりだという渋谷のオフィスで、商品の企画やサイトを運用にあたっている。

実際に商品を製造するのは、同社が提携する国内数十カ所の縫製工場だ。シャツ、ジャケット、ジーンズといった商品のジャンルによって、それぞれ得意な工場を選定している。これらの工場は、森氏自らが数え切れないくらい電話をかけ、実際に訪問して開拓していったものだ。

正式リリース前には、タイや中国にある工場も70社ほど視察したが、品質面では国内の工場にかなわない。ユニクロのように大量生産するなら海外で生産するメリットもあるが、オーダーごとに1着ずつ、LaFabricが厳選して仕入れた生地や糸を使って製造し、検品後、お客さまに送付する手間を考えると、結局コストが高くなってしまう。

「それなら、高い技術を持った国内の職人さんにお願いして、よいものをお客さまにお届けしたいと考えたわけです」(森氏)

海外の縫製工場のクオリティーは国内にはかなわない

難しいからこそチャレンジする価値がある

LaFabricの特徴は、Made In Japanのほかにもある。その1つが、「30日間あんしん保証」だ。商品に欠陥がある場合や何かしらの理由で気に入らなかった場合、未使用なら30日以内の返品に対応する。サイズが合わなかった場合、5000円以内の直し代金であればLaFabricが負担する制度も設けた。

あんしん保証も大きく伝えている

1着ずつ作るカスタムオーダーの商品は、ただでさえ原価が高い。そのうえ、このような制度を設けていたら、さらにコストがかかりすぎるのではないか。

「シャツ1枚であっても、お客さまに最終的にご満足いただくまで、ひたすら対応し続ける方針です」と森氏は話す。その方針を支えるのは、生地や縫製、サイズのこだわりなど、きちんとした商品を提供しているという自信だ。実際、返品されることもあるが、返品率は数%に抑えられているという。

お客さまの満足度を高めるため、検品にも力を入れている。注文が入ったらそのまま工場に情報を流すのではなく、LaFabricで注文内容を確認してから、内容に合った工場へ振り分ける。工場で完成した商品は、LaFabricにいったん納品され、自社スタッフによる検品作業を経てから、お客さまへ届けられる。

「お客さまの満足度には、もっともこだわっています。メールでのアンケートやフィードバックの会を定期的に開いて、お客さまの声をヒアリングしています」(森氏)

ヒアリングした結果は、商品開発やWebサイトのユーザビリティの向上に活かして、さらに満足度を高めるようにしているという。

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