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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第134回

Amazonが「Fire」スマホ事業を縮小、ハード事業の行方は?

2015年09月02日 11時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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 「Fire Phone」でスマホ市場に参入したAmazonだが、ローンチから1年少し、どうやら市場から撤退もありうる雲行きだ。米紙がFireスマートフォンを開発するラボの人員削減を報じている。

 ちなみに7月の「Prime Day」では、SIMフリー版が159ドルで販売されたとか。現在Amazonの米国サイトでは「現在販売できません」となっている。

Amazon.com上でもすでに購入できなくなっている

ハイスペックを低価格で実現した「Fire」

 Fireスマートフォンは2014年6月に発表されたAmazon初のスマートフォンだ(関連記事)。CEOのJeff Bezos氏自らが発表したもので、センサー技術を利用した独自の3D表示システム「Dynamic Perspective」、カメラやマイクからの情報をもとにAmazonでショッピングができる「Firefly」、顧客サービスの「Mayday」など、かなり高スペックな特徴を盛り込んでいた。

 OSは同社のタブレット「Kindle Fire」でおなじみのAndroidベースの「Fire OS」だ。アプリではFireタブレットで提供しているアプリストア「Amazon Appstore」を利用する。音楽は「Amazon Store」、電子書籍は「Kindle Books」、動画は「Amazon Instant Video」があり、5GBのクラウドストレージを無料でバンドルする。

 このほか、2.2GHz動作のクアッドコアプロセッサとAdreno 330グラフィック、13メガカメラ、4.7型のHD液晶、LTE対応、NFCサポートなど、ハイエンドといえるスペックを備えつつ、Amazonらしく低価格(発表時、キャリア2年契約付きで199ドル~)で提供した。米国でローンチ後、同年秋には英国やドイツなどでも発売された。

Fire、Echoを開発したハードウェアラボ
”Lab126”が再編!?

 小売業がスマートフォンを作る――それ自体は、Androidとデバイス価格低下により、簡単に携帯電話が作れてしまう時代になったことを象徴しているように思う。だがスマホは製造することは簡単でも、ビジネスとして成功させることは非常に難しい。

 Amazonは他のインターネット企業と比べると、短期的利益にとらわれずに長期的な事業戦略に基づき製品展開をしていると言われることが多い。電子書籍の「Kindle」、Kindle Fireなどのハードウェア製品はその好例だ。そのKindle、Kindel Fire、Fire PhoneなどのAmazonのハードウェア製品を送り出してきたのが、同社がシリコンバレーに持つラボ「Lab126」だ。そのLab126の縮小を、Wall Street Journalが8月末に報じた。

 Lab126は2014年だけでFireスマホ、音声コマンドと人工知能(AI)を利用した家庭用デジタルアシスタント「Echo」など、合わせて10以上のハードウェア製品を送り出したという。記事によると、今回いくつかのハードウェアプロジェクトを打ち切るとのことあわせてAmazonでデバイス担当技術責任者を務めたJon McCormack氏が7月にGoogleに移籍したことにもふれている。McCormack氏は以前にもYahoo!に転職したが、デバイス担当CTOとしてAmazonに復帰、それから数ヵ月で再び離職となった。

Amazonの人工知能入りスピーカー「Echo」

 AmazonはFire Phoneの販売台数を公開しておらず、爆発的に売れたという話や記事はなかったことからも、実績は低かったのだろうと予想できる。


(次ページでは、「Fire Phoneはなぜ売れなかったのか」)

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