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FJMのクラウドサービスで点検・報告業を効率化

東急ファシリティ、約550施設の巡回点検にタブレット活用

2015年09月02日 09時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 東急ファシリティサービスは、東京都と神奈川県のオフィスビルや商業施設など約550棟の巡回点検にタブレット端末を活用し、業務効率化を図る。富士通マーケティング(以下、FJM)の「AZCLOUD SaS teraSpection」を導入し、9月から本格運用を開始する。

 AZCLOUD SaaS teraSpectionは、タブレット端末を活用して、設備の点検内容の入力や点検データの参照、報告書の作成まで、場所を意識せずに行えるクラウドサービス。

 東急ファシリティサービスは、同サービスを活用し、巡回点検の内容を現場で入出力することで、点検報告書作成などの事務作業や、点検場所と事務所の移動時間を効率化。施設オーナーに対するスピーディで正確な報告や改善提案を通じて、サービス品質の向上をめざす。

システム概要図

現場点検作業の人員確保が課題に

 東急ファシリティサービスは、東急グループの不動産事業を担い、「ビルマネジメント事業」「スタッフ事業」「ホスピタリティ事業」を展開している。

 事業の中核となる「ビルマネジメント事業」は、ビル・商業施設などの電気・給排水設備・空調・照明などが良好に機能するよう、専門知識や技能資格を有する技術者が定期的に設備を点検している。ところが近年、都市部の再開発や新施設の増加に伴い、現場で点検作業を行う人員の確保や育成などが課題となっていた。

 ただ、現場での点検作業はメーター値や設備の視認、モーター音の確認など、機械化や自動化できる部分が少なく、点検作業自体を変えることはできない。そこでそのプロセスの効率化のため、2014年12月にAZCLOUD SaaS teraSpectionの導入を決定した。

タブレット端末で点検・報告業務を効率化

 AZCLOUD SaaS teraSpectionでは、タブレット端末に点検場所が施設のフロアごとの平面図に表示されるため、初めて訪問する物件でも漏れなく、効率よく巡回できるという。

 また、点検場所ごとに必要な項目が表示され、入力漏れにはアラームメッセージが上がるため、点検漏れも防止。正常値がデフォルトで表示され、異常値への気づきを促す機能も備えるため、作業者の熟練度にかかわらず点検作業の品質を均一化できる。

 点検内容をタブレット端末に入力すれば、その入力値がそのまま報告書に出力される。タブレット端末で撮影した写真は明度が自動補修され、点検場所と紐付けて保存されるため、事務所に戻って改めて点検報告書を作成する手間が省けるという。

 施設オーナーに対しても、点検後すぐにタブレット端末を使用して、点検場所の写真・状況をわかりやすく説明できるため、今後の保守や設備交換の時期といった施設の価値を高める改善提案が可能となる。

活用風景

東京都・神奈川県の巡回点検業務から順次展開

 東急ファシリティサービスは、今回導入する東京都・神奈川県の巡回点検業務から展開範囲を拡大していく予定。今後は施設常駐型の点検業務や検診業務など利用範囲を拡大するとともに、他事業への適用も検討していく。

 FJMはそうした動きに対応するとともに、AZCLOUD SaaS teraSpectionと「GLOVIA smart ホテル」や「GIFOCUS(地図ソリューション)」といった他システムとの連携も進め、利用シーンの拡大に努める方針。

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