このページの本文へ

チャットもSNS(投稿)もメールも単一フィードに集約

モバイル上でのコミュニケーションを円滑にする「Vmoso」日本上陸

2015年08月06日 09時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 米BroadVisionの日本法人、日本ブロードビジョンは8月5日、モバイルでのコミュニケーションを促進する「Vmoso(ヴイモソ)」を発表した。8月下旬から国内販売を開始。SOHOを含むPersonal版は無償で、SMBを含むEnterprise版は月額1300円(税別)/ユーザーで提供される。

 Vmosoは、モバイル上でメール、チャット、コンテンツ共有、ワークフロー、SNS(投稿)の機能を単一画面に統合できるツール。企業での会話/協働/つながり(Communication/Collaboration/Engagement:CC&E)を促進するという。実態としてはモバイルアプリで、クラウド環境と連携することで、社内・社外を含めたシームレスなコミュニケーションを実現する。

 アプリにはチャット/SNS(投稿)/コンテンツ共有/ワークフローの機能があり、外部メールも一元化できる。これら複数のチャネルでのコミュニケーションを単一の活動ストリームとして同一フィードに表示するため、ユーザーは自分の関係するチャネルの新しい情報を正しい順番で見られるという。

“Vmosoの仕組み

 米BroadVision 社長兼CEO、取締役会長のピーホン・チェン氏は、そのメリットを次のように語る。「これらのツールは従来別個のソリューションとして分離していた。PCでならマルチウインドウで同時に作業することも可能だが、モバイルでは困難。Vmosoはモバイル上でも複数のコミュニケーションチャネルを一元化して利用できる」。

米BroadVision 社長兼CEO、取締役会長のピーホン・チェン氏

 チャネル統合が最大の特長だが、メール連携は少し変わった方法を採用している。VEP(Eメールプラグイン)という仕組みでGoogleやMicorosoftなどの外部メール環境と連携。実際のメッセージのやり取りはVEC(Eメール変換)という仕組みにより、メールとチャットの双方向変換を行う。例えば、社外の人からメールが送られてきたとしよう。Vmoso上ではその内容がチャットに変換される。受信者がチャットで返信すると、再びその内容をメールに変換して相手に送り返す。この方法によって、うまくメールも含めたチャネル統合を果たしているのだ。

 また、オープンアーキテクチャを採用するため、GoogleやMicrosoftなどのコミュニケーションツールと連携でき、クラウドストレージも利用可能なほか、CRM/ERP、IoT機器とも連携する。CRMを例に取ると、カスタマサポートツールや営業支援ツール、およびVmoso間で顧客対応履歴などをリアルタイムに連携できるという。

VmosoとGoogleの統合

VmosoとMicrosoftの統合

 もう1つの特長となるのが、メッセージの「伝達・共有方法」に独自の仕組みを採用する点だ。Vmosoでは、最初に私/グループ/社内/社外も含むなどの“保管場所”を作っておく。Vmosoユーザー間でやりとりされたチャットやSNS(投稿)の内容は、適切な保管場所に格納され、関係者がその保管場所を共有する形でコミュニケーションを取る。この保管場所は「Universal Engagement Inbox」と呼ばれ、これにより“唯一のソース”と“優れた検索性”を実現している。

優れた検索性を備える

 このメリットについては、「例えばメールだと、複数の人にメッセージを送る場合、その分だけコピーが作られ、データがどんどん重複することになる。これが“データの屑”となり、必要な情報が埋もれてしまう原因にもつながる。Vmosoではコピーに頼らないデータのやり取りを実現することで、不要な情報の氾濫を整理するよう設計されている」(チェン氏)と説明している。

 外部の人を未登録ユーザーとしてVmosoへ招待する機能も搭載。もちろんデータは暗号化され、二要素認証やアクセスコントロールによってセキュリティが確保されている。こうした“保管場所”に基づく仕組みを「Permission-Based Sharing」という特許技術で実現している。

“保管場所”に基づくメッセージの伝達・共有の仕組み

 サービス提供形態は、Apple Store/Google Playからのアプリダウンロード形式。サーバー機能はパブリッククラウド型、プライベートクラウド型(キャリア)、プライベートクラウド(自社データセンター)が選べる。

 価格は、SOHOを含むPersonal版が無償で、SMBを含むEnterprise版が月額1300円(税別)だが、最終的には販売代理店の提供する価格となるとのこと。発売は8月下旬。日本では大手通信会社の販売協力を得て拡販する。

 

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ