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「KH-KZ3000」と「KH-KZ1000」

この低域は魅力的、ケンウッドの6年半ぶり新機種を聴く

2015年08月07日 09時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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コンパクトで軽い、外出先で積極的に使いたい

ハウジング部分を回転させて平らにすることができる。

 サイズは比較的コンパクトにまとまっている印象。KZ1000の本体は軽く200g程度。KZ3000はこれよりはずっしりした(というか身が詰まった)感じがするが、それでも270g程度である。ポータブル利用でも十分な軽量さだと思う。

スイーベル用のピン。寄ってみるとなかなか高級感がある。

 ハウジング部とヘッドバンド部にはスイーベル用のピンが設けられており、携帯時に本体を平らにできる。キャリングケースなどは付属しないが、ケーブルをはずせば断線の心配もないので、多少ラフに持ち運んでも問題なさそうだ。リュックなどに入れてもかさばらないし、海外旅行などに行く際、スーツケースの占有を少しでも抑えたい場合でも場所をとらない。

質感そして内部の複雑さは価格相応の差別化要因

 次に上位のKZ3000と下位のKZ1000の仕様の違いについてみていこう。

 まずは外観から。KZ3000はハウジングの素材にグラスファイバーPA樹脂とアルミプレートを組み合わせている。一方、KZ1000は一般的なABS樹脂製だ。アーム部分の色はKZ3000のブラックに対してKZ1000はシルバーとなっており、ヘッドバンドを伸縮させた際に露出するスライダー部分もこの色に合わせてダークグレーとシルバーに塗装されている。

KZ3000(左)とKZ1000(右)のハウジング部分の違い。色の違いに加えて使用する素材も異なる。

 イヤーパッドやヘッドバンドの素材はともに合皮だが、素材感は異なり、KZ3000のほうがよりソフトな感触だ。KZ3000ではプラグ部分の色も異なっていたり、ヘッドバンド部分に赤色のステッチを設けたりと、細かなところにもこだわりが感じられる。イヤーパッドはよく耳にフィットし、密閉感はかなり高い。

スライダー部分はハウジングに合わせた色に塗装されている。写真はダークグレーに塗装されたKZ3000。

 内部に目を向けると、使用パーツの数が随分と違うことが分かる。

 まず下位のKZ1000はイヤーパッド、グラスファイバーPAのバッフル、ドライバーユニットハウジングという4ピースのシンプルな構造。一方上位のKZ3000では、ステンレスやアルミを用いた振動抑制用のリングを追加しており、ドライバーも振動板にPEN樹脂を使用。かつ通常1つの3つのネオジウム磁石を3層に重ねてより強力にしている。またドライバーユニットの背後にサウンドディフューザーと呼ばれる独自のパーツも追加。ハウジング内で反射する音を拡散させるともに、少ない容積でもエアボリュームを確保できるように最適化している。ジャックも振動抑制機構のついたスタビライズドジャックとなり、キャップもアルミ合金製だ。

コネクター部分に寄ってみる。プラグキャップの色に加えて、内部の固定方法などにも差異があるとのこと。

 KZ3000とKZ1000はサイズ面では同等だが、こうした違いから重量は約70g異なり、手に持つとKZ3000のほうがより密度感が高く、より高級な印象を与える。

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