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Windows Info 第47回

Windows 10はメディア作成ツールでインストールする

2015年08月04日 15時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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Windows 10のメディアやUSBメモリで起動しての
インストールではWindows 10のプロダクトキーが必要

 メディア作成ツールをマイクロソフトのサイトからダウンロードしたら、これを起動する。そして「このPCを今すぐアップグレードする」を選ぶ。後半にWindows 10に引き継ぐものを指定できるので、とりあえず、これを選んでおいて問題は無い。

 途中で、「プロダクトキーを入力してください」と表示が出たら、おそらく、アップグレード元になるWindows 7/8で「ライセンス認証」が行なわれていない。これは、Windows 7/8のプロダクトキーがあれば、簡単にできる(インターネット接続が必要)。なので、メディア作成ツール(setup.exe)を一回終了させて、ライセンス認証を行なったのち、再度メディア作成ツールを起動しよう。

もし、このようにプロダクトキーについて聞いてきたら、アップグレード元になるWindows 7/8が「ライセンス認証」されていない状態だ。正しくライセンス認証されていれば、このような画面が出ない。また、Windows 10インストールメディアから違うエディションをインストールしようとするとこの画面が出る

 「インストールする準備ができました」という画面まできたら、インストールのタイプを選択する。まずは、デフォルトのままの「個人用のファイルとアプリを引き継ぐ」のまま、インストールを先に進めることをお勧めする。

オススメは、このまま「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」でインストールすること。

 「引き継ぐものを変更」で設定を変えることはできる。選択できるのは、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」(いわゆるアップグレード)、「個人用ファイルのみを引き継ぐ」(上書きインストール)、「何も引き継がない」(クリーンインストール)の3種類がある。

メディア作成ツール(setup.exe)では、3つの選択が可能だが、下にいくに従い、メリットが減っていく

 デフォルトのままをお勧めするのには理由があり、1つはデバイス認識が正確になることと、アップグレード後に元のWindows 7/8に戻せる点だ。

 Windows 10では、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」にした場合には、ほとんどデバイスの認識を間違わないのだが、「個人用ファイルのみを引き継ぐ」「何も引き継がない」の場合、一部のデバイスが「不明なデバイス」のままになることがある。筆者の環境では、インストール直後に「PCIシンプル通信コントローラー」、「SMバス」などが不明なデバイスとして表示された。

 もちろん、インストール前のWindows 7/8では、すべてのデバイスが正しく認識されてドライバが組み込まれていた。これは、おそらくは、元のWindows 7/8のデバイス情報をそのまま受け取るからだろう。逆に「個人用ファイルのみを引き継ぐ」と「何も引き継がない」の場合、デバイス情報を使わずにインストール後にデバイス検出をWindows 10自身で行なうからだと思われる。

 また、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」と「個人用ファイルのみを引き継ぐ」を選択した場合のみ、Windows 10のインストール後に、元のWindows 7/8に戻す「インストールの取り消し」が可能だ。

「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」「ファイルを引き継ぐ」でWindows 10をインストールした場合には、元のWindowsへ戻すことができる

 ただし、この機能はWindows 10をインストールしてから一ヵ月のみの期間限定機能だ。「何も引き継がない」を選択すると、この機能は使えないので注意しよう。

 あとは放っておくだけで、Windows 10がインストールされる。途中、いくつか確認事項がはいるが、基本的には「次へ」ボタンなどで先にすすめいけば何の問題もない。

 どうしても、ダウンロードしたISOファイル(から作ったDVD)や作成したUSBメモリからインストールしたいという場合でも、PCにインストールされているWindows 7/8から、インストールメディア内のsetup.exeを起動する。このようにすることで、確実にWindows 7/8のライセンスがWindows 10に引き継がれる。

 やってはいけないのは、DVDやUSBメモリなどのWindows 10インストールメディアでシステムを起動してからインストールする方法だ。この場合、Windows 10のインストーラーがWindows 7/8のライセンス認証を確認できないので、インストールされるWindows 10はライセンス認証ができない状態となる。

Windows 10インストール用USBメモリを作って、そこから起動してインストールを行なった。このときWindows 10はライセンス認証されていない状態になってしまう

 この状態になった場合、元のWindows7/8に戻して、再度ライセンス認証を行ない、その上でWindows 10へとアップグレードするしかない。

 なお、Windows 10は、1回正しくライセンスを引き継いでインストールが完了すると、次回以降のインストールでは、たとえまっさらのHDDにインストールしても、ライセンス認証が行なわれた状態に復帰できる。おそらく、LANアダプタのMACアドレスなどの固有の値を使って、PCのライセンス状態を確認しているのだと思われる。このため、一度Windows 10でライセンス認証が行なわれた状態になったあと、たとえばHDDが壊れて、新たな物に交換しても、Windows 10のライセンス認証は自動的に行なわれる。

 実際に正しくWindows 8からWindows 10へとアップデートしたあと、HDDを交換して、真っさらの状態でWindows 10をインストールしてみた。

 この場合、Windows 10インストールメディア(DVDやUSBメモリ)からシステムを起動するしか手がない。そうすると途中で「プロダクトキー」を聞いてくる。しかし、「スキップ」、「後で」といった選択肢を使って、入力を回避したまま、インストールを先にすすめる。Windows 10のインストールが終了して、ライセンス状態を見ると、「Windowsはライセンス認証されています」となる。

Windows 10インストールメディアからPCを起動してインストールする場合、途中でプロダクトキーを聞いてくる。この画面では、ウィンドウ右下の「スキップ」で先に進める

こちらの画面では、左下の「後で」で先に進める

一回Windows 10がライセンス認証されたあと、同じマシンに新しいHDDを付けて新規インストールを行なっても、インストール後には、Windows 10がライセンス認証された状態になる

 そういうわけで、Windows 10をインストールしようとしているのであれば、まずはファイルもアプリも基本設定も、Windows 10に引き継ぐアップグレードをすることをお勧めする。Windows 10でライセンス認証が行なわれれば、あとは比較的自由に変更可能だ。

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