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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第1回

新国立競技場とスマホ、スペックで考えるとわかること

2015年08月04日 17時00分更新

文● 前田知洋

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テレビなどでもお馴染みの世界的なマジシャン前田知洋氏による連載「前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック”」がはじまったのは2012年9月。今年の7月で70回を迎えたの機に『前田知洋の“マジックとスペックのある人生”』とリニューアルしました。これまでのアップルやGoogle、テクノロジーの話題に加え、時事問題にも鋭く突っ込んでいただきます。どうぞご期待下さい!(編集部)

ザハ・ハディド氏がデザインしたスペインのブリッジパビリオン(Photo/Juan E De Cristofaro CC BY-SA 2.0)

マジックのスペックと値段

 新しいスマホやPCを買うときに、スペックと値段って、重要な選択肢になってるはず。もちろん「デザインがクールだから…」と余分に予算を考えたり、好きなブランドをあえて選ぶこともあります。デザインに価値を見出すのは人それぞれ。筆者ならば競合品の1.2~1.5倍が許容範囲でしょうか。

 建築費用が1300億円~3000億円といわれ、計画が白紙に戻った新国立競技場。「税金がいっぱい使われてムカつく」「責任者はあいつだ!」なんて怒りはワキにおいたとしても、「規模がデカすぎて、適正予算がわからない」という意見を筆者の周辺ではよく聞きます…。新進気鋭のクリエーターの中には「クールなモノができるのなら多少高くても…」と、バブリーな人もいます。

 余談ですが、マジックの道具でも安いモノから高いモノまでいろいろあります。ちょっとググってみたら「自動車の消失、または出現」で$5450(約67万円)ってカナダのサイトが見つかりましたが、たぶん自動車は含まれていなさそう(笑)。マジシャンが本職の筆者ですが、実際にモノを見てみないと「高いのか、安いのか」、まったく想像がつきません。


これはマジックの道具ではなく、トレードショー用

 「スマホやマジックと公共建築を一緒にするな!」とエライ先生に怒られそうですが、大阪の橋下市長も「金のない家がフェラーリ買ったらアホ」とたとえたほど…。それで腑に落ちた人も多いのではないでしょうか。国税にしろ都税にしろみんなのお金。そこで、新国立競技場のスペックを冷静に考えてみると、予算と機能の妥当な落とし所が見えてくる気がするんですよね。

(次ページ、「芝イベント26日 vs コンサート12日」に続く)

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