7月上旬に、中国のロボット展示会「CIROS2015」(中国国際机器人展覧会)が上海で開催された。
最新の中国製ロボットが見られるとあって、会場(国家会展中心)まで足を運んだ。筆者が中国に絡んだ十数年を振り返るに、2000年以降だけで比較すれば、中国人は日本人と比べてハイテク好きである。最新のロボットが見られるとあって、ビジネスマンだけでなく、多くの家族連れの参観者が足を運んだ。
入口に入ると目の前に安川電機のブースがあり、そこでのロボットアームによる龍舞(横浜や神戸や長崎の中華街で見る、複数人で獅子舞のような要領で龍を躍らせるアレ)が多くの中国参観者の足を止め、感動させていた。
中国のロボットというと、当時のインパクトの強さから「先行者」のような人型ロボットを想像するかもしれないが、展示のメインはいわゆるロボットアームである(人型ロボットについては次ページで紹介する)。
産業用ロボットのジャンルにおいても、日本のメーカーは中国のメーカーと比べて、より長い期間にわたって研究開発をし、中国メーカーに比べて技術で先行していることもある。中国メーカーと日本メーカーのそれが一堂に会する展示会となっている。
安川電機に日本と中国のロボットアームの技術力の差はあるのか、わかりやすく教えて下さいと聞いてみると、こんな回答が返ってきた。
「中国メーカーのロボットは、先進的なパーツを集めて作っているので、外見は同じに見えるかもしれません。でも、日本のそれに比べて動きが遅く、精度も低くなっています。」
「なので、品質が要求されるような用途では日本の製品が優位ですが、モノを運ぶといった比較的簡単な用途であれば中国のロボットアームでも採用されるわけです。あと、3軸のスカラー型と呼ばれるロボットの分野では、中国メーカーが採用される場面も増えているようです。」
なるほど、その前提で日本と中国のロボットアームと見比べてみれば、速度については差が見えてくるわけだ。
(次ページに続く、「安倍首相の謝罪ロボットや美少女ロボットなど……」)
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