このページの本文へ

「IIJ GIO P2」に続きSDN+NFVの「IIJ Omnibusサービス」を発表

IIJ、クラウド/ネットワーク新サービスで“One Cloud”目指す

2015年07月16日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月15日、新サービスであるIaaS「IIJ GIOインフラストラクチャーP2(IIJ GIO P2)」、およびSDN+NFVサービス「IIJ Omnibusサービス」の発表会を開催した。サーバー/ストレージ/ネットワークリソースを柔軟に組み合わせられるサービスを提供し、顧客のクラウド移行をさらに促進する。

発表会に出席したIIJ 代表取締役社長 勝 栄二郎氏

IIJ 専務執行役員 クラウド事業統括 時田一広氏

 発表会に出席したIIJの勝社長は、今回発表する2つの新しいサービスについて、「IIJ GIO P2は、プライベートクラウドとパブリッククラウドの両方のメリットを同時に享受できるサービス。また、そのクラウドを簡単かつ迅速、セキュアに接続するのがIIJ Omnibusだ」と説明した。

 またクラウド事業統括の時田氏は、2つのサービス背景にあるコンセプトを「One Cloud」だと説明。幅広いラインアップのサーバー/ストレージ/ネットワークリソースを柔軟に組み合わせられるクラウド環境であり、さらに今後も多様なサービスをこのプラットフォームに統合していく方針だと説明した。

IIJは、顧客ニーズに応じた幅広いリソースを単一プラットフォームに統合する「One Cloud」構想を掲げる

パブリック/プライベートクラウドを組み合わせた「IIJ GIO P2」

 IIJ GIO P2は前日に発表された(関連記事)新しいIaaSラインアップで、安価な共用型/パブリッククラウドから専有型/プライベートクラウド、物理サーバー(ベアメタルサーバー)までをカバーする。顧客ニーズに応じて、パブリック/プライベートを柔軟に組み合わせて利用することも可能。

 時田氏は、GIO P2はこれまで提供してきたパブリックIaaSと専有サーバーサービスの後継となるサービスで、旧サービスの特徴的な部分を引き継いでいることを説明。さらに、一部機能の自動化やリソース制限の緩和などを行ったことで、より幅広い利用用途で利用できるようになったと述べた。中堅以上の顧客、特に複数のシステムをクラウドに乗せている顧客がメインターゲットだという。

従来のIaaS(IIJ GIOコンポーネント、IIJ GIOホスティングパッケージ)と、IIJ GIO P2の機能比較

多様なネットワークサービス/セキュリティを日割料金で利用「IIJ Omnibus」

 IIJ Omnibusサービスは、SDNおよびNFVの技術を利用して、企業ネットワークに必要とされる各種機能をクラウドサービスとして提供するもの。顧客拠点内に設置されたサービスアダプタと、クラウド上の顧客プライベート領域(NPS:Network Processing System)を結び、このNPSがルータ(インターネットアクセスやWAN)、VPN、セキュリティなどの機能(モジュール)を提供するゲートウェイとなる。

 SDN+NFVの仕組みにより、顧客はオンラインポータルから必要なネットワークサービス/セキュリティサービスを指定することで、柔軟にネットワーク機能や規模を変更することが可能。各ネットワーク機能の利用料金は日割となっている。また、アクセス回線はマルチキャリアに対応、接続先クラウドもIIJ GIOのほか、他社クラウドにも対応している。

従来の企業ネットワーク(左)と、IIJ Omnibusで実現するネットワークの違い。クラウド上の顧客専有領域(NPS)で各種機能を付与し、ここがゲートウェイとなる

NPSでは、ニーズに応じて多様なネットワークサービス/セキュリティサービスが適用できる。提供サービスは今後さらに拡充していく予定

 こうした仕組みにより、顧客はネットワーク機器を自社で所有することなく、必要な機能を必要なときに利用でき、ネットワーク運用やセキュリティ対策にかかる負荷とコストが大幅に削減できるとしている。

 「法人のお客様には、両方(のサービスを)一緒に使っていただきたい」「われわれは今後、すべてのシステムをクラウドで利用できるということを提案していきたい」(時田氏)

カテゴリートップへ