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業界人の《ことば》から第152回

弥生、会計ソフトが登場した30年前。それに匹敵する変化を

2015年07月14日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

「会計業務が劇的に変わったのが、会計ソフトが登場した30年前。それに匹敵する変化が、会計業務3.0として、これから始まることになる」(弥生・岡本浩一郎社長)

クラウド化は将来の大黒柱になるサービス

 弥生は、2015年7月7日から、法人向けクラウド会計ソフト「弥生会計オンライン」のサービスを開始した。

 「これまでのデスクトップ向けの弥生の実績や、各種サービスの経験を生かして、小規模法人に必要な会計業務がこれひとつでできる。将来の大黒柱になるサービス」と位置づける。

 「もっともっと、かんたん、やさしい会計ソフト」をキャッチフレーズに、取引入力の効率化や、グラフを活用した視認性の高い表示のほか、定評のあるサポート体制を生かして、誰でもが、安心して利用できる会計ソフトサービスを目指すという。

 「やよいの白色申告オンラインを利用者のうち、初めての申告にこれを利用した人は24.8%。やよいの青色申告オンラインでは36.3%に達した。初めて申告するといった人にももっと使ってもらいたい。弥生会計オンラインも、まだ会計ソフトを使っていない人にこそ使ってもらいたい」と語る。

会計ソフトに対して、弥生が感じている不満

 弥生・岡本浩一郎社長自身、会計ソフトを取り巻く現在の環境に対して、不満を持っている。

 ひとつは、会計ソフトの普及率の問題だ。

 調査によると、国内の事業所における会計ソフトの利用率は、全体の25.7%に留まっている。4社に1社というのが実態だ。また、小規模法人を対象にした調査では、会計事務所に会計業務を委託している企業は78.5%を占め、そのうち、会計ソフトを利用して記帳している自計化している企業は52.2%と半分に留まる。 

 「会計ソフトを使った自計化は理想ではあるが、時間と労力が課題となっている。自計化を行わずに、会計事務所に記帳代行を委託するのは、本業に集中するということにもなるが、悪くいえば丸投げ。記帳代行を委託して、戻ってくるまでに1カ月はかかる。正確な経営情報をタイムリーに得ることが難しく、経営リスクにもつながる。記帳ストレスをゼロにし、タイムリーな経営判断を行うというトレードオフを解消する必要がある」とする。

クラウド会計ソフトの普及はまだ少ない(左)。会計事務所との連携機能についても強化している(右)。

 今回の弥生会計 オンラインでは、取引入力、集計、決算という会計業務の流れをひとつの会計ソフトで対応。簿記や会計の知識がなくても誰でも取引入力ができる環境の実現、集計結果をグラフで表示するレポート機能のほか、今年10月には登録した取引から決算書を自動で作成できる機能も提供する。これらによって、トレードオフの課題を解決する考えだ。

 そして、岡本社長は、会計ソフトのクラウド活用においても今後の課題があるとする。

 調査によると、会計ソフトを利用している企業のうち、クラウドアプリを利用しているのは7.7%。まだ1割以下となっている。

 「この市場において、弥生は29.5%とトップシェアを獲得しているが、弥生基準で考えると多いシェアではない。そして、なににもまして、まだまだ市場が小さい。先は長い」とする。

 今回の発表では、2016年3月を目標に、デスクトップ版「弥生会計」と、クラウド版の「弥生会計 オンライン」を相互連携。会計事務所は、デスクトップ版「弥生会計」を導入している顧問先と同様に、「弥生会計 オンライン」を導入している顧問先の月次監査・決算業務を行うことができる環境の実現によって、クラウド利用の促進につなげるほか、2015年1月1日以降に登記した新設法人や、弥生PAP会員の顧問先には、弥生会計 オンラインを、1年間無償で利用できるキャンペーンを用意して、クラウド利用の促進を図る考えだ。

 「デスクトップ版のニーズは根強いものがある。だが、5年後には新規登録の半分がクラウドになると予想している」と岡本社長。そのクラウド市場におけるシェア拡大にも意欲をみせる。

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