このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第146回

老眼世代にも優しいチューナー登場

画期的すぎて認められない、そこから進化したコルグ最新チューナーとは

2015年07月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アプリやエフェクター内蔵チューナーとの差別化

杉原 ところで、これご存じですか?(と言いながら、Pitchblack Proを箱から取り出す)

―― おっと、これは我々老眼世代(50代前半)にはやさしいんじゃないですか。

杉原 でしょ、我々にとってはそこが大問題ですよね。結構遠くからでもわかりますよ。これは私が設計しました。ふふふ。

大型の3D表示部を持つラックマウントタイプのPitchblack Pro。手前は7月下旬発売にはチュナ缶としても発売される予定のSledgehammer Pro。どちらも同じ表示技術を使っているらしい

―― でもラックマウント型は重くて、電車移動のアマチュアには使いづらいんですけど。

杉原 それが軽いんですよ。ペダルボードにも置けるくらいのサイズだし。ちょっと持ってみてくださいよ。

―― げげっ、これは軽い……。本体も鉄かと思ったらプラスチックだし、奥行きも全然ないんですね。

杉原 もう、ちゃんと見てくれなきゃダメだなあ。

重さは363g。奥行きも49mmしかない。片手で軽々と持ててしまう

ラックマウントアダプタを外して底に付けるとフロアやアンプの上に迎角で置けるデザイン。軽いし薄いのでマイクスタンドに縦付けできるアタッチメントがあったら便利そう。表示モードは3つ。ピッチに合わせて1点が移動する「レギュラー」、ピッチの高低に合わせて全体の表示が左右に流れる「ストロボ」、ピッチが高いと右、低いと左の表示だけが流れる「ハーフ・ストロボ」。電源はDC9Vのみ(対応品は付属のKA350)

―― ……あ、これは失礼しました。じゃあ、この妙に奥行きのある表示は一体どうなっているんですか?

杉原 普通のLEDが個数分入っているだけです。このウインドウに秘密が隠されているんですよ。他社で作っているもので、うちの技術じゃないんですが。

市川 こういう不思議な材料があったら取り入れてみようということで、リサーチは普段からしていますね。

―― 最後に、チューナーの未来についてですが、某ギターメーカーの今年のモデルのほとんどに、モーターでベグを回すオートチューニングシステムが載りました。ああいうものはどう思われますか? 表示部がいらないという意味で、老眼にも優しいチューナーなわけですが。

市川 便利なのは便利だと思いますが、精度や実用性の面では、まだ課題は多いなと感じています。

―― もひとつ、最近チューナーはエフェクターにも付いているし、スマホのアプリもあります。そういうものとはどう差別化していくんでしょう?

肥後 手軽さが一番違うと思うんですね。スマホをクリップチューナーのようにヘッドに挟むわけにもいきません。デザイン次第で、アプリよりもかゆいところに手が届く感じは出せていると思います。

市川 それと視認性ですよね。スマホではっきりわかりやすい表示をするのは難しいですから。

杉原 そういうわけなのでPitchblack Proを買ってください。

―― わかりました(笑)。今日は長時間ありがとうございました!



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

■関連サイト

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン