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最新パーツ性能チェック 第178回

「Radeon R9 Fury X」はUltra 4Kゲーマーの選択肢を変えるか?

2015年07月01日 16時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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テスト環境は?

 お楽しみのベンチマークに入る前に、今回のテスト環境を紹介しよう。比較対象として1世代前(GCN1.1)のハイエンドである「R9 290X」および、ライバルのGeForceから同価格帯のハイエンド「GTX980Ti」をそれぞれ準備した。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-4670K」(3.4GHz、最大3.8GHz)
マザーボード ASRock Z97 Extreme6(Intel Z97 Express)
メモリー Corsair CMY16GX3M2A2133C11(DDR3-2133で使用、8GB×2)
ビデオカード Radeon R9 Fury Xリファレンスカード
Radeon R9 290X リファレンスカード
GeForce GTX 980Ti リファレンスカード
SSD Crucial「CT512M550SSD1」(512GB)
電源ユニット Corsair RM650(80PLUS Gold、650W)
OS Windows 8.1 Pro(64ビット)
グラフィックドライバー Catalyst 15.15.1004(Fury X)
Catalyst 15.6beta(R9 290X)
GeForce 353.30(GTX980Ti)

R9 290Xに対しては圧倒的な差を発揮

 それではベンチマークによる性能チェックに入ろう。まずは「3DMark」の“Fire Strike”および“Fire Strike Ultra”のスコアを比較する。

「3DMark」のスコアー

 R9 290Xと比較するとFury Xのスコアは大きく伸びているが、GTX980Tiに対してはまだまだスコアが伸び足りない。4096基のSPも4096bitの広帯域メモリーも、目にみえる範囲では威力を実感できない印象だ。

 ハイエンドGPUなので重めのゲームで試してみよう。まずは「ウイッチャー3 ワイルドハント」を使用した。画質は各項目が最も重くなるよう設定し、解像度はフルHDと4Kでそれぞれ計測する。フィールド上の所定のコースを移動する際のフレームレートを「Fraps」で測定した。VRAM使用量は3.9GB前後(GPU-Z読み)となる。

「ウイッチャー3」フルHD設定

「ウイッチャー3」4K設定

 ここでもFury XはR9 290Xに対しては圧倒的な差を発揮しているものの、GTX980Tiにいま一歩詰め寄れていないことがわかる。

 しかしウイッチャー3は第2世代Maxwellに最適化された「HairWorks」を利用し毛皮&毛髪の表現を強化している。ところがこのHairWorksがRadeon環境ではさっぱりパフォーマンスが出ない、というのはおなじみの話。そこでHairWorksをオフにした状態でも計測してみた。

「ウイッチャー3」HairWorksなし、フルHD設定

「ウイッチャー3」HairWorksなし、4K設定

 HairWorksという枷を外すとfpsが一気に上がるが、特にRadeon勢の伸びが大きい。4K環境ではGTX980Tiとほぼ並んでいるどころか、平均fpsではわずかに上回っている。4096SPのパワーによるものか、HBMの帯域によるものかは切り分けできないが、GPUの底力がボトルネックになるようなシチュエーションなら、Fury Xも輝くことがあるということだ。

→次のページヘ続く (Ultra 4Kでゲームを試す

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