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最新パーツ性能チェック ― 第178回

「Radeon R9 Fury X」はUltra 4Kゲーマーの選択肢を変えるか?

2015年07月01日 16時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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 AMDの最新フラッグシップGPU「Radeon R9 Fury X」(以降Fury Xと略)を搭載したビデオカードの国内販売が始まった

水冷ユニットを標準搭載するFury Xのリファレンスカード。久しく更新のなかったRadeonだけに、注目しているユーザも多いところだろう。秋葉原での初値は約11万円前後

 ライバルのNVIDIAが4Kゲーミング市場に向け「GeForce GTX 980Ti」や「GeForce GTX TITAN X」を送りだしてきた一方で、AMDはずっと沈黙を守ってきたが、ようやくFury XでシングルGPUで“Ultra 4K(4K&高画質の意味)”向けのGPUが登場したことになる。

(編注:AMDは4Kゲーミング向けに「R9 295X2」を出しているが、これは価格も異次元のデュアルGPUカードである。)

 Fury Xの初期入荷数は少なく(わずか15個という噂も)、ショップによっては抽選で購入者を決めるという珍しい状況であったため、なかなか評価用機材も回ってこなかった。だがようやく筆者の元にもテスト機材が回ってきた。新世代のRadeonの実力はいかなるものか? 早速テストしてみたい。

SPを大幅増強し、HBMを採用

 まずはFury Xのスペックを眺めてみよう。今回のFury XはR9 290XやGTX 980Tiと比べて、設計的に大きな飛躍がみられる。その飛躍点を中心にFury Xの特徴をまとめてみよう。

各ビデオカードの比較表
  Radeon R9 Fury X Radeon R9 290X GeForce GTX 980Ti
開発コード Fiji Hawaii GM200(Maxwell)
製造プロセス 28nm 28nm 28nm
ストリーミング
プロセッサー数
4096基 2816基 2816基
コアクロック 1050MHz 1000MHz 1000MHz
ブーストクロック なし なし 1075MHz
テクスチャーユニット数 256基 176基 176基
ROPユニット数 64基 64基 96基
メモリー転送レート(相当) 1GHz 5GHz 7GHz
メモリータイプ HBM1 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 4096bit 512bit 384bit
メモリー搭載量 4GB 4GB 6GB
TDP 275W 250W 250W
外部電源 8ピン×2 8ピン+6ピン 8ピン+6ピン
「GPU-Z」で今回のテスト機材をチェック。コアクロックは1050MHz動作だった

1) GPUアーキテクチャーに変化はないが、SP数が大幅増量

 Fury Xのプロセスルールならびにアーキテクチャーは、既存のGCNを踏襲したものだ。GCNの中にもいくつか世代があるが、Fury Xはその中でも一番新しい、GCN1.2ベースの“Tonga”を下敷きにしている。

 ただ従来のTongaと異なるのは、後述する新メモリーへの対応のほかに、4096基ものSP数を内包していることだ。SPの数はゲーム画面の描画はもちろん、GPGPU用途でも重要になる部分。フラッグシップモデルの貫録が感じられる。

2) 積層メモリー「HBM」を初採用

 Fury Xで一番の見どころは、VRAMが従来のGDDR5ではなく、積層メモリー技術「HBM(High Bandwidth Memory)」を採用したことだ。文字通りメモリーチップを垂直に積み上げることで同容量でも実装面積を減らしたもの。

 従来GPUの周囲にズラリと布陣するように並べられていたVRAMが、Fury XではGPUダイのすぐ隣に4つ(1基で1GB)鎮座するのみ。

従来GPUの周囲にズラリと布陣するように並べられていたVRAM(左)が、Fury XではGPUダイのすぐ隣に4つ鎮座するのみ(右)。メモリーが同容量でも実装面積を減らせる

 さらに驚くべきは、HBMの動作クロックは500MHz (データーレート換算で1GHz相当)と低いが、1基あたりのメモリーバス幅は1024bitと非常に広いこと。Fury Xには4基のHBMメモリーが搭載されているので4096bit幅となる。バス幅を広くとった分動作クロックが抑えられるため、消費電力も減らせるというメリットもあるのだ。

 ここまではミクロな視点だったが、続いてはもう少しカメラを引いて外見的な特徴を中心にFury Xの特徴をみてみよう。

→次のページヘ続く (外観でわかる大きな特徴

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