今回のことば
「全力で、シャープを潰さないように経営をしていく。復活させるという強い意志でやっている」(シャープ・高橋興三社長)
大波乱のシャープ株主総会
シャープが、2015年6月23日に大阪市内で開催した定時株主総会は、過去最長時間となる3時間23分におよぶ波乱の内容となった。
会場に出席した株主は1212人。昨年の943人から250人以上増加し、質問者数は延べ23人と、多くの株主が質問にたった。
質問内容は、2223億円の最終赤字、株価の大幅下落、3年連続の無配、5億円への減資といった株主の不満や不安を背景に、シャープ・高橋興三社長の退任を求めたり、経営陣の危機意識の欠如を指摘するような質問が相次いだ。
開会宣言の直後、議長を務めたシャープの高橋社長は、出席した役員全員を起立させ、「まず、株主のみなさまにお詫びを申し上げる」として陳謝したが、その後の株主から質問、意見では、「社長を辞めたらどうか」「会社が存在する価値がない」「立て直すというが信用できない」などの声のほか、「5億円への減資は姑息なやり方」「情報を開示しないのは、株主を馬鹿にしている」といった言葉が相次ぎ飛び交う状況だった。
ある株主は、高橋社長の制止を聞かずに質問を続け、退場を求める一幕もみられたほどの波乱ぶりだった。
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