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CPUグリス徹底比較 冷えるのはどれだ? 第1回

シリコン、シルバーなど半固体状サーマルグリスの性能を比較

2015年07月06日 15時55分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

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付属品でよく入っている
CPUクーラーのシリコングリス

アイネックス「シリコングリス 1.5g」(型番:GS-01)。熱伝導率は0.55W/m・K

 安価なCPUクーラーを買うと申し訳なさそうに付属している、1回使い切りのよくあるグリスだ。微妙に堅くて塗りにくいと感じつつ、計測開始1分ほどで42度まで上昇し、サーモグラフィーで33.9度という結果になった。

10分経過時の様子。速攻で33.9度に貼り付いたところを見ると、長時間駆動させた場合、さらに温度は高くなっていたと思われる

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軟膏ケースに入った
定番シリコングリス

アイネックス「シリコングリス 標準タイプ」(型番:PA-070)。熱伝導率は0.62W/m・K

 かなり昔から販売されている定番グリス。古参の自作ユーザーなら、これを指ですくってヒートスプレッダにグリグリと塗りたくった経験があるはずだ。

 結果としては、BIOS読みで42度まで上昇し、サーモグラフィーで33.9度。ただ一気に42度まで上昇することはなく、8分ほどで42度に到達していた。最近、購入したものなので鮮度によるものだろうか……。保険用として保存しておくくらいの認識でよさそうだ。

計測時の様子。前述の「シリコングリス 1.5g」とは熱伝導率がわずか0.07W/m・Kしか違わないのに、最高温度(33.9度)に達するまでに8分かかった

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チューブタイプの代表格
中身はEVERCOOL製

アイネックス「熱伝導グリス 大容量タイプ」(型番:GS-04)。中身はEVERCOOL製で、熱伝導率は3.8W/m・K

 自作ユーザーにはおなじみEVERCOOLが手がけたシリコングリス。CPUクーラーメーカーのグリスだからよく冷えるかもしれない! ということでチョイスしてみた。PCパーツショップでもよく見かけるため、入手しやすいのもグッド。

 結果を見ると、BIOS読み42度、サーモグラフィーで34.7度。すでに紹介しているシリコングリスと似た結果になった。

 低粘度で塗りやすいのは評価したいが、微妙に油分が分離していたので事前に撹拌する必要があったことも付け加えておこう。この製品に限らず時間が経ったシリコングリスは成分が分離しやすいので注意。

前述の安価なグリスよりはるかに熱伝導率がいいはずなのだが、結果は安価なグリスと左程変わらない印象

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注射器タイプで塗りやすい
Akasaのシルバーグリス

アイネックス「シルバーグリス」(型番:AK-450-SS)。中身はAkasa製で、熱伝導率は9.24W/m・K

 CPUクーラーでおなじみAkasa製のシルバーグリス。グリスがそこそこ硬く、注射器タイプなのでとても塗りやすい。塗布用へらと説明書を省略して、そのぶん安価に製品を提供しているのも評価したい。

 測定結果は、BIOS読み39度、サーモグラフィー読みで34度になった。またBIOS読みでの温度変化は、5分で39度に貼り付いたため、長時間駆動にも負けないものと思われる。

シルバーグリスは、シリコングリスと温度分布が異なるのがわかる。ただ、サーモグラフィー読みが34度と低く、ヒートシンクだけでなくファンまで温まっているので、うまく熱をクーラーに伝えきれていないのが気になる

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(→次ページヘ続く 「シリコンでもシルバーでもない新素材グリス」)

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