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EMC WORLD 2015での新製品や取り組みを披露

EMC、XtremIO 4.0など次世代インフラを担う製品群を国内投入

2015年06月25日 12時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月25日、EMCジャパンは5月に開催された「EMC WORLD 2015」の新製品の説明会を開催した。XtremIO 4.0やDSSD、VxRACKなどの次世代インフラ製品のほか、ScaleIOの無料版提供やVIPRコントローラーのOSS化などに関して披露された。

プラットフォーム3のみならず次世代インフラも強化

 冒頭、新製品の位置づけについて説明したEMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏は、70億人、300億個のデバイスがネットに接続され、44ZBのデータによって構成される2020年のデジタルワールドを見据え、2015年はセンサー、IoT、ビッグデータ、アナリスティックなどの大きな変革が起こっていくと説明する。「B2Bのデジタル化の推進において、IoTが大きな役割を果たしていく。特に、製造業の多い日本でのデジタル化においては、IoTが大きな推進力となる」と指摘した。

EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏

 これに対して、EMCは新たなビジネス価値を創出する次世代の「プラットフォーム3」および、基幹アプリケーションのコスト削減と俊敏性向上を目指した「プラットフォーム2.5」を両面でサポート。EMC、VMware、Pivotalなどのフェデレーション(連合)で、ビジネスデータレイク、次世代アプリケーション基盤、ハイブリッドクラウド、セキュリティアナリスティック、次世代インフラなどの重点ソリューションを展開していくという。クラウドやビッグデータなどの新しい分野での製品開発はもちろん、「次世代インフラもますます進化する」(大塚氏)とのことで、既存のハードウェアビジネスを今後も堅持する点もあわせてアピールされた。

2015年度のEMCジャパンの戦略

XtremIO 4.0やDSSDなどの新製品やOSS・ソフトウェア化など

 EMC WORLD 2015では、コアテクノロジー、エマージングテクノロジー、コンバージドインフラの3分野で新製品が投入されている。これら新製品については、EMCジャパン 執行役員 システムズ エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏が説明を行なった。

EMCジャパン 執行役員 システムズ エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏

 まず、ストレージを中心とするコアテクノロジー分野ではオールフラッシュアレイの「XtremIO 4.0」が発表されている。新たに40TBモデルが提供され、8ノードで最大320TBの構成が実現。重複排除の採用で、実質で2PBまで利用可能になっている。XtremIO 4.0では、オンラインでの性能・容量の拡張、Recover Pointとの連携、スナップショットの強化などが施されており、「まさにミッションクリティカル分野に使えるオールフラッシュアレイ」となっているという。国内では本日から提供を開始する。

従来の2倍となる40TBのモデルが用意されたXtremIO

 また、テックプレビューが披露された「DSSD」に関しても触れられた。DSSDは、36のフラッシュモジュールから構成されるラックスケール型のオールフラッシュアレイ。「よりサーバーに近いところで、よりメモリに近い使い方をできるオールフラッシュアレイ」(飯塚氏)とのことで、サーバーとはPCIeでダイレクトに接続される。これにより、ブロック、HDFSによるアクセスはもちろん、API経由でアプリケーションからの高速なアクセスが可能になっている。EMC WORLD 2015で行なわれたデモについても説明され、「すでに50TBが30秒という世界になっている。新しいアプリケーションを実現する基盤となる」(飯塚氏)という。

ブロック、HDFS、API経由でのアクセスをサポートするDSSD

 その他、Software-Defined Storageを実現する「ScaleIO」の無料版や「CoprHD」と呼ばれるOSS版ViPRの提供が披露されたほか、ハイパーバイザー上で動作するVNXeのバーチャルアプライアンス版も発表された。今後はIsilonの「OneFS」に関してもソフトウェア化が行なわれ、ストレージ分野でのソフトウェア化は強力に推進されるという。

1000ノードまで増やせるVxRACK

 ハイパーコンバージドインフラの新製品である「VxRACK」に関しても、VCEテクノロジー ソリューションズ カントリーマネージャー 西村哲也氏が説明された。

VCEテクノロジー ソリューションズ カントリーマネージャー 西村哲也氏

 VCEの「VBLOCK」はプライベートクラウド環境を迅速に導入できるコンバージドインフラで、シスコ、EMC、VMwareとの連携によって、統合されたハードウェア、ソフトウェアで構成されている。これにより、迅速なインテグレーションや高い俊敏性、運用の効率化、シンプル化などを提供できるという。コンバージドインフラ製品に関しては、VMware NSXやCisco ACIなどのSDNが組み込まれた「VxBLOCK」も今後、提供される予定となっている。

 今回発表されたVxRACKは、スケールアウト型のハイパーコンバージドインフラ製品。VMware EVO:RAILをベースとした従来機種と比べて、最大1000ノードまで拡張できる点が大きな違いとなる。EMCのScaleIOのソフトウェアで構成されており、VMwareのみならず、KVMやベアメタルなどの環境もサポートする予定となっている。国内では第3四半期から受注を開始するという。

ハイパーコンバージドインフラの新製品「VxRACK」

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