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Windows Info ― 第45回

WindowsタブレットのマイクロUSB端子の構造は?

2015年06月17日 12時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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 最近登場したAtom系プロセッサを搭載したWindowsタブレットでは、筐体をコンパクトにするため、充電兼用のマイクロUSBコネクタを持つ機種が少なくない。それ自体はスマートフォンやAndroidタブレットでおなじみの構造だが、Windowsタブレットの場合、ちょっと事情が違う。ハードウェア的な違いを含め、このマイクロUSBコネクタについて解説しよう。

一般的なWindowsタブレットはマイクロUSB端子が1つ
これでは充電しながらUSB機器は使えない?

 マイクロUSBコネクタが1つしかないWindowsタブレットでは、このコネクタを充電とデバイス接続のどちらかで使う。つまり本来は充電するか、デバイスを接続するかのどちらかしかできない。なお、一部のハードウェアでは、専用ケーブルやアダプタを使うことで充電しながらUSBデバイスが利用できるものがある。たとえば、東芝のDynabook tab SシリーズやレノボのMiixシリーズなどで挙げられる。

 ここで以後の説明のため、ちょっと用語整理をしておこう。USBは、すでに広く普及したデバイス間の接続インターフェースだが、PCのように他の制御する側(利用する側)を「ホスト」、制御される機器側を「デバイス」という。

 USBでは、このホストとデバイスを接続して利用する。USBハブなどを使うと、1つのホストに複数のデバイスを同時に接続できる。1つのホストには複数のデバイスを接続できるが、ホスト同士を接続したり、1つのデバイスに対して複数のホストがつながるような接続は不可能だ。

 なお、USBでは、ホスト側が電力を供給する必要があり、デバイスは、USBから電力をもらって動作する。ホスト側は、常に電力を供給する責任があるが、デバイス側はUSBとは別にACアダプタや電池などの電力を使い、必ずしもUSBから電力供給を受ける必要があるわけではない。

 USBには現在のところ、大きさの違いで「標準(Standard)」「ミニ(Mini)」「マイクロ(Micro)」の3種類がある。また、USB 2.xと3.xでは似たコネクタを使うが、USB 3.0のほうが信号線が多い。ただし互換性のため、相互に接続して利用することが可能だ。

 一般にコネクタには、「プラグ(オス)」と「レセプタクル(メス)」の2種類がある。プラグはおもにケーブル側/デバイス側に使い、レセプタクルは、本体側/ホスト側にある。

 なお、コネクタという場合、プラグとレセプタクルの両方をさすことが多い。また、機能などから、「UBSレセプタクル」を「USBポート」と呼ぶこともある。コネクタ、プラグ、レセプタクルは、物理的な存在に対する呼び名。これに対してUSBポートは機能面、論理的な呼び方。

 USBでは、間違えて接続することを避けるため、ホスト側の機器とデバイス側の機器でコネクタのタイプを分けている。たとえば、USB標準コネクタには、AとBの2つのタイプがあり、それぞれにプラグとレセプタクルがある。AはPC側などホスト側、Bはデバイス側になるコネクタだ。

 マイクロ/ミニUSBの場合、後述するOTGとの関係で、プラグには、AとBの2種類があるが、レセプタクルには、A/B(AとBのどちらも刺さる)、Bの2種類がある。なお、最近になって、マイクロUSBにType Cと呼ばれる形状が使われはじめた。こちらはAともBとも違うものだ。

OTGケーブルは信号線を1本増やすことで
ホスト側かデバイス側を判別している

 さて、スマートフォンやAndroidタブレットなども、マイクロUSBコネクタが1つで、充電とデバイス接続を兼ねている。また、スマートフォンをPCに接続すると、大容量記憶デバイスやMTPデバイスなどとして認識され、内蔵ストレージへのアクセスが可能だ。このときスマートフォンは、「デバイス側」として動作している。

 しかし、スマートフォンはOTGホストケーブルを使うと、マウスやキーボードといったUSBデバイスを接続することも可能だ。このときスマートフォンは「ホスト側」として動作している。

 OTG(On The Go)とは、下の図のようにホストとデバイス側を切り替える仕様だ。スマートフォンがデバイスとして動作しているとき、USBホスト側から電力を受け取ることができる。一般的には、これを使ってスマートフォンやタブレットは充電を行なう。このとき、PCなどのホストに接続してもいいし、USB出力のACアダプタと通常のUSBケーブルで接続してもかまわない。

OTGとは、USBでホスト側とデバイス側を切り替える機能。スマートフォンなどの充電兼用マイクロUSBコネクタのほとんどがこのOTGになっている

 これに対してOTGホストケーブルは、一般的なUSBケーブルとは結線が違っている。USB 2.xの場合、標準USBコネクタには、4本の信号線しかない。これに対して、マイクロUSBやミニUSBのプラグ、レセプタクルには、IDという5本目の信号線がある。

 このID端子がアース(グランド)と接続されているケーブルを「ホスト」ケーブルという。これがOTG機器に接続されると「ホスト側」になる。

 ID端子になにも接続されていないと、スマートフォンなどは「デバイス側」になる。また、このとき、USBホスト側から電力をもらって、内蔵バッテリの充電を行なう。

 そもそも、OTG用に作られたホストケーブルだが、充電兼用のマイクロUSBコネクタが1つしかないWindowsタブレットでも、充電用に通常ケーブルを使う関係で、USBデバイスを接続するときには、OTGホストケーブルを利用する。

 つまり、充電兼用のマイクロUSBコネクタが1つしかない場合、USBケーブルをつなげば必ず本体は充電状態となり、ホストケーブルを使えば、充電は行なわれず、WIndowsタブレットが外部のデバイスに電力を供給する状態になる。このような切り替えが必要なのは、USBでは常にホスト側が電力を供給する必要があるからだ。

Atom系プロセッサを使ったWindowsタブレットにも、充電兼用のマイクロUSBコネクタが1つしかないものがある。しかし、このコネクタはOTGではないが、充電とデバイス接続を区別するため、OTGホストケーブルを使う

(次ページでは、「Windowsタブレットを充電しながらUSB機器が利用できるケーブルがある?」)

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