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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第144回

開けるだけで指を切らない構造

怪我しない! 開けると刃先が丸くなるスゴイ缶詰「チュナ缶」はこうしてできた

2015年06月13日 12時00分更新

文● 四本淑三

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缶詰を使った新しい調理法まで発明

―― それはどこで企画されているんですか?

渡辺 全部うちでやっています。あの扉で仕切っている向こう(谷内社長と渡辺工場長が座っているソファーの後ろ)が食品工場。ちゃんと保健所の許可を取ってやっていますよ。

谷内 保健所、すごいうるさいんだよ。でもね、これは真空パックにするときに、まず空気を抜いて殺菌してしまう。それから缶詰に入れたときにレトルト殺菌する。だから長持ちする。25~6年経ったしじみの味噌汁とか、なんともないね。非常食で作ってくれって言ってくるメーカーもあるよ。

渡辺 アルファ米だけじゃ栄養価が足りないからって。

―― それはまたずいぶんと贅沢な非常食ですねぇ。

谷内 でも、缶詰にしなきゃならないものもあるわけ。たとえば長崎の対馬は人の数よりも鹿の数のほうが多いっていうけど、農作物が鹿に荒らされるんだって。それを駆除しても、肉を持っていく場所がない。

渡辺 すぐ腐っちゃうから。それを缶詰にしたいって。そういう相談も来るんです。

谷啓製作所の缶詰通販サイト。1998年に発売を始め、現在はいま話題のココナッツオイルから、玄米ごはん、発芽玄米ごはん(醤油味)、ラム肉ジンギスカン、豆乳、白がゆまで6品目

中でもユニークなのは「ハイブリッドフーズ」の調理法。レトルトパウチに入れた食材を、沸騰水を満たした缶に入れ、そのまま巻締めする。こうするとレトルトパウチ内の溶液に含まれる微量の空気や臭気が、レトルトパウチを透過して缶の中の水へ溶け出して臭みが減り、逆に缶の匂いは食材に移らないというメリットがあるという

(次ページでは、「缶にかかわる変わった相談とは

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