Android Wear、Android Oneの取り組みは?
Googleのもう一つの取り組みが、Androidの拡大だ。「Android Auto」「Android TV」などあるが、スマートフォンに近い「Android One」と「Android Wear」をみてみよう。Android Oneは途上国市場を狙った廉価版Android向けのOSで2014年のI/Oで発表された。100ドルを切る価格で実現できるというのが売りで、搭載機がインドから発売された。5月に入り、Googleはトルコにも拡大したようだ。
そしてウェアラブルのAndroid Wear、こちらは最新のIDCのレポートから厳しい状況が明らかになった。第1四半期のウェアラブル端末メーカーのシェアからは、上位5社中SamsungのみがAndroid Wearを採用している。Samsungは60万台を売り上げシェアは4位、わずか5.3%。Samsungのウェアラブル「Gear」は数機種あるが、そのうちAndroid Wear採用機種は「Gear Live」のみだ。
つまり、ウェアラブル市場で明確なポジションを築けないまま、Appleの「Apple Watch」を迎え撃つことになる。Apple Watchで筆者が気がついたのは、SAPなどのエンタープライズベンダーがApple Watchの可能性を前向きに探っている点だ。あるエンタープライズベンダーの幹部は、「Apple Watchでツイートを見るのに使っている。前に試したスマートウォッチとは比べ物にならない」と満足顔だった。
GoogleはNFC決済において「Google Wallet」を先に開始していたにも関わらず、「Apple Pay」の登場により「Google Pay」として再スタートを切ることになった。さまざまな分野でAppleが最終的にリードしてしまうという構図を覆せなかったという見方もできる。だが、Googleが何を狙うのかと見れば、それほど重要ではないのかもしれない。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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