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地方創生の切り札?LOCAL Community Summit講演レポート

北海道出身の2人が語る「こんなリモートワークどうでしょう」

2015年06月05日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月16日、「LOCAL Communicty Summit 2015(LCS2015)」のトリを締めたのは北海道出身のcloudpackの工藤淳さんとパクえ(吉田雄哉)さんによる「地方×クラウド」のセッション。道民の2人がクラウドを活用したリモートワークについて自身の体験談を踏まえて解説した。

リモートワークできる3社での経験は?

 最初に登壇したのは、cloudpackの工藤淳さん。北海道の食材を紹介する「北海道マイスター検定」の保持者でもある工藤さんは、冒頭5分程度を費やして、(他の講演者と同じく)地元古平町を猛烈アピール。食べ物や名産物、観光、同地へのアクセスまで丁寧に説明した後、リモートワークに至るまでの社会人経験を説明した。

過去3社のリモートワーク経験を語ったcloudpackの工藤淳さん

 工藤さんはこれまで3社に勤務し、札幌と東京を往復してきたが、3社ともリモートワークができるという共通点があったという。

 社内SEやサーバー構築を担当していた1社目は勤務地が札幌。ただ、当時はクラウドにあたるものがなく、メールやグループウェア、ファイルサーバーなどのシステムはすべてオンプレミス。リモートワークというより、会社の決められた端末でSSL VPNのリモートアクセスで仕事をした経験があった程度だった。「北海道で出張だと日帰りが難しいので、会社で決められた端末でメールなどをチェックしていた」(工藤さん)。

 2・3社目はクラウド上でサーバー構築する仕事だったため、リモートワークがしやすかったという。会社自体もGmailやChatWork、Backlog、Skypeなどクラウドサービスを多用していた。仕事はすべてクラウド上で済むため、仕事の場所は特に問わなかったという。

重要なのはツールより運用面での工夫

 さて、リモートワークをチーム展開する場合は、どうすべきだろうか? 工藤さんが九州でリモートワークしているエンジニアに聞いたところ、「通勤から解放される」「自由に仕事ができる」「家族との時間がとれる」などのメリットが挙がったという。一方、「オフィスの温度感が伝わらない」というデメリットもあった。たとえば、システムに障害が起きている時とか、レイテンシが低いコミュニケーションがとりたいといった場合に、現場の雰囲気が伝わらないもどかしさはあったという。

リモートワークの便利なこと、不便なこと

 こうしたデメリットを解消すべく、cloudpackでは「sqwiggle」や「Zoom」などのチームワーク向けのツールを活用している。ただ、クラウドサービス側に関しては意外と問題なく、運用面での工夫がむしろ重要になるという。工藤氏は実際の運用ノウハウをいくつか披露した。

 たとえば、テキストベースでチャットでは主語を明確にして、意思の伝わりやすくしている。さらに、雑音も含めた周りの会話までリモート側と共有することで、雰囲気を伝わるようにしている。「家にこもりがちになるリモート側では、あえて外にご飯を食べさせるようにした」(工藤氏)とのことで、工夫を重ねて、リモートオフィスでも雰囲気を共有。一体感を持って仕事にあたれる環境を構築している。

雰囲気の共有こそチームでリモートワークする場合の課題

(次ページ、ベンチャー時代にリモートワークの試行錯誤)


 

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