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最新パーツ性能チェック 第177回

GeForce GTX 980Tiは4Kゲーミング普及の起爆剤となるか?

2015年06月01日 07時01分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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見た目はTITAN Xと同じ

 今回入手できた980Tiのリファレンスカードは、クーラーの色や刻印、裏面のメモリーチップがないことを除けば、まるっきりTITAN Xそのものだ。

 TITAN Xはその超エンスージアスト向けという特殊性のためかリファレンス仕様のみだが、GTX980Tiはオリジナルクーラー版も投入されるという。ただし発売当初はリファレンスモデルのみで、オリジナルクーラー搭載モデルは数週間後になるとのこと(NVIDIA談)。このあたりはCOMPUTEX TAIPEI 2015で各社から発表があるだろう。

TITAN X(上)とGTX980Ti(下)はクーラーのカバー色と刻印でしか見分けがつかない

TITAN X(上)には6GBぶんのメモリーチップが裏面にも装着されているが、GTX980Ti(下)には存在しない。TITAN Xのメモリーチップは高負荷時になると80度近くまで上がるため、不安要素が減ってかえって安心して使えそうだ

GTX980Ti(上)は、出力端子と補助電源の構成もTITAN X(下)と同一

ベンチ環境は?

 それではベンチによる比較に移る前に、今回のテスト環境を紹介しよう。比較対象としてTITAN XとGTX980を用意した。CUDAコア数的には両者の真ん中くらいの性能になりそうだが、搭載メモリー量やバス幅、ROP数などがGTX980より有利なため、ややTITAN X寄りであることが予想される。ただ今回は機材調達の都合上、GTX980はMSI製のオーバークロック版を使用している。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-4670K」(3.4GHz、最大3.8GHz)
マザーボード ASRock「Z97 Extreme6」(Intel Z97 Express)
メモリー Corsair CMY16GX3M2A2133C11(DDR3-2133で使用、8GB×2)
ビデオカード GeForce GTX 908Tiリファレンスカード
GeForce GTX TITAN Xリファレンスカード
MSI「GTX980 GAMING 4G」(GeForce GTX 980)
SSD Crucial CT512M550SSD1(512GB)
電源ユニット Corsair RM650(80PLUS Gold、650W)
OS Windows 8.1 Pro(64ビット)
グラフィックドライバー GeForce 352.90(GTX980Ti)、GeForce 352.86(それ以外)

メモリー周りの速さでGTX980を圧倒

 それでは性能検証に入ろう。まずは「3DMark」の“Fire Strike”と“Fire Strike Ultra”だ。前者はフルHD、後者は4Kの負荷を想定している。

「3DMark」のスコア比較 better→

 4K相当のFire Strike UltraだとGTX980TiはなんとなくTITAN X寄りかな? という程度だが負荷の軽いFire Strikeでは見事にTITAN Xに近い性能を発揮している。CUDAコア数が少ないぶんTITAN Xよりは下だが、メモリー周りの仕様がGTX980より強化されているため、性能がぐんと伸びている印象だ。

 ここで消費電力も計測しておこう。「Watts Up? PRO」を利用しシステム起動10分後とFire Strikeデモ実行中の同一シーンにおける消費電力を測定した。

アイドル時および高負荷時(3DMarkデモ実行中)の消費電力の比較 ←better

 アイドル時の消費電力はほぼ同じだが、高負荷時の消費電力も3DMarkのFire Strikeと似た傾向となった。CUDAコア数が少ないぶん消費電力も少なそうだが、GPUのブーストが効いて高クロックになったぶんで帳消しになっていると推測される。

(→次ページヘ続く 「4Kゲーミングで威力を発揮」)

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