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de:code 2015基調講演ではクラウド戦略をアピール

Azure Data LakeやOMSも披露!進化するMicrosoft Azure

2015年05月27日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月26日、日本マイクロソフトはエンジニア向けイベント「de:code 2015」を開催した。2時間半にもおよぶ基調講演の前半はクラウド関連のトピックの紹介に当てられ、Azure Data LakeやMicrosoft Operation Management Suiteなどの新製品も披露された。

2000名におよぶ聴衆に新しいマイクロソフトをアピール

 マイクロソフトのde:codeは「ITに関わるすべてのエンジニアのための技術カンファレンス」を謳うエンジニア向けのイベント。同じくマイクロソフトの技術者イベントである「TechEd」と「build」を合わせたような内容で、26日・27日の2日間で100以上のセッションが行なわれる。

 4月末に米国で開催された「Build 2015」の内容を受けて開催される今回のde:codeの注目度は高い。サティア・ナデラCEOの元、新生マイクロソフトは圧倒的なスピード感でクロスプラットフォーム化、OSS対応を推進。Windows 10ラウンチ間近で、さまざまな開発者向け情報が公開されつつあるのに加え、機械学習やIoT、ビッグデータなどの最新テクノロジーに関しても、次々と製品とサービスを繰り出している。こうした中で行なわれる今回のde:code 2015は通常価格で8万円(税抜)という参加費にもかかわらず、ほぼ10日前には満員。約2000人の聴衆が基調講演の会場を埋め尽くした。

 「進化するエンジニアへ~テクノロジが創り出す未来と価値~」というタイトルで行なわれた初日の基調講演は、日本マイクロソフトの平野拓也氏や伊藤かつら氏のほか、米マイクロソフトのクラウド担当ジェイソン・ザンダー氏、クライアント&デバイス担当のジョルジオ・サルド氏などが次々と登壇。途中、マイクロソフトのエンジニアたちによるデモや、トヨタ自動車やスクウェア・エニックスなどのゲスト講演も含め、ほぼ2時間半に渡る基調講演で、新生マイクロソフトのビジョンやテクノロジーを聴衆に見せつけた。

Azure上のサーバーの20%はLinux

 進行役も務めた日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー エバンジェリズム 統括本部長の伊藤かつら氏は、「技術者の活躍するシーンは、以前と比べものにならないほど飛躍的に広くなっている。こうした技術者の活躍シーンをみなさまと体感したい。そしてワクワクしながら未来を見つめたい」と、de:codeのイベントの趣旨を説明。設立40周年前の前日にビル・ゲイツ氏から社員に送られた「大事なのは過去ではなく、われわれが次になにをやるかだ」というメッセージを紹介しつつ、「われわれマイクロソフトは次のステップに向けて、大きく一歩を踏み出そうとしている。この次の一歩にとって技術者であるみなさんの役割は大変重要」と呼びかけた。

進行役も務めた日本マイクロソフト 執行役 デベロッパー エバンジェリズム 統括本部長の伊藤かつら氏。後半では、Surface上の楽譜アプリを紹介。ピアノの演奏にフルートのフレーズを追加するデモを披露した

 そしてマイクロソフトの次を象徴する人物として伊藤氏から紹介を受けたのは、日本マイクロソフト 代表取締役 副社長で、7月から日本法人の代表となる平野拓也氏だ。平野氏は、「今までのようにWindowsで囲い込むような戦略が大きく変化している。ナデラCEOもI love LinuxのTシャツを着て、講演している。実際、Microsoft Azureの20%はLinuxが動いている」とサティア・ナデラの就任以来のマイクロソフトの変化をアピール。クラウド&モバイルの時代のリーダーとしてチャレンジを進める今のマイクロソフトの姿を聴衆に印象づけた。

新生マイクロソフトのチャレンジについて語る日本マイクロソフト 代表取締役 副社長 平野拓也氏

毎月9万ずつサブスクリプションが増えるMicrosoft Azure

 Microsoft Azureの最新動向について説明した米マイクロソフト Azureチーム コーポレート バイスプレジデント ジェイソン・ザンダー氏は、この1年で500以上にのぼるアップデートをAzureに施してきたとアピール。一方で、既存の技術を継承してのクラウド&モバイル戦略があるため、これまでの技術スキルが今後の時代にも活きると強調する。

米マイクロソフト Azureチーム コーポレート ヴァイスプレジデント ジェイソン・ザンダー氏

 続いてザンダー氏はMicrosoft Azureの最新動向を数字で説明した。現在Microsoft Azureでは、毎月9万におよぶサブスクリプションが生まれており、140万のSQL Databaseが動作しているという。また、ストレージのオブジェクト数は50兆、Active Directoryのユーザー数は4億2500万に上る。「オンプレミスのActive Directoryと連携がとれている。つまり、クラウドとオンプレミスで一貫したIDの管理が実現している」(ザンダー氏)。Visual Studio Onlineの登録者数も300万を超え、フォーチュン500企業の58%がMicrosoft Azureを利用していると説明した。

数字で見るAzureの最新動向

(次ページ、真の意味でのハイブリッドクラウドが実現できる)


 

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